2型糖尿病患者の場合、その発症と病態の進行には、生活習慣が大きく関与しており、多くの場合、食生活の偏りや運動不足が指摘されます。そしてこうした特徴から、過体重となっている患者さんも少なくなく、糖尿病に対する治療とともに、体重コントロールを行っていくことがきわめて重要であるケースも多くみられます。
10%の減量を実施して維持すると転帰が改善
こうした過体重を伴う2型糖尿病患者さんへの治療について、どのように体重コントロールを図っていくことが、健康上より良い効果をもたらすものとなるのか、研究した最新の成果が報告され、「Diabetes Care」2月19日付のオンライン版に掲載されました。
研究を行ったのは、John M. Wentworth氏らのグループで、彼らは2009年から2011年の間に行われた追跡期間5年の研究から、過体重にある2型糖尿病患者51人を抽出、そのうち45人を減量手術と内科的治療を行う群と、内科的治療のみを行う群に、それぞれ22人、23人をランダムに割り付け、比較検討を行いました。
減量手術と内科的治療を行ったGB群では、研究終了時でベースライン時から中央値11.2%の減量が認められ、一方内科的治療のみのMED群では、中央値2.6%の減量にとどまっていました。群間差は8.6%となっています。追跡期間5年を超えたのちの体重減少は、GB群で平均12.2%、MED群で平均1.8%でした。
HbA1c値やコレステロール値、QOL面で10%の減量維持が改善効果を発揮
5年後における糖尿病の寛解例は、GB群で5例(23%)、MED群で2例(9%)で、GB群がより良い結果ではあるものの、さほど大きな差にはなっていません。しかし、GB群ではより血糖降下薬の処方量が少なくて済んでおり、追跡期間中のHbA1c値も有意に低くなっていました。
また、いわゆる善玉コレステロールであるHDLコレステロールは、GB群の方が高かったのに対し、悪玉コレステロールとされるLDLコレステロールは、脂質低下薬のより低い使用頻度という文脈において、GB群の方が低く、中性脂肪も少ない傾向が認められています。
生活の質・総合的な健康状態を指すQOL面の評価でも、MED群は比較的一定した状態から変化がみられない結果となりましたが、GB群では早期に持続的な改善傾向がみられるようになり、5年間での総合的な健康度、精神的健康度のスコアもより良い状態にアップしていました。
これらの結果から研究グループでは、今回の研究が限られた人数の規模の小さなものであること、また5年間という限定された追跡期間であることなどの限界を認め、長期にわたる糖尿病罹患期間を有している人や、減量手術の適切なアフターケアに恵まれない環境にある人などでは当てはまらない可能性があるとしつつ、肥満にまでは至らない過体重が認められる2型糖尿病患者の場合、10%の減量を実施した体重を維持していくことが、HbA1c値における改善、コレステロール値の適正化、QOL面での臨床的に有意な改善につながり、血糖降下薬など薬物療法コストの低減も実現できるであろうと結論づけました。
減量手術という強制的な方法には、その他リスクも伴うため総合的に考える必要がありますが、やはり体重のコントロールは重要な意味をもつもので、血糖値とともに注意し、まず生活習慣の改善で適正化を目指すことが大切といえるでしょう。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes Care : Five-Year Outcomes of a Randomized Trial of Gastric Band Surgery in Overweight but Not Obese People With Type 2 Diabetes
http://care.diabetesjournals.org/content/40/4/e44