近年では糖尿病に対するさまざまな治療選択肢が生まれ、患者の状態に合わせてより良い効果を発揮するよう、予後を改善するよう工夫していくことが求められる時代となってきました。そうした中、米国における糖尿病性腎症患者への処方について、その最新内容・動向を調査した結果が報告されています。
新規経口血糖降下薬の処方が増加
この調査研究は、O. Ajiboye氏、J. B. Segal氏によって結果が報告されたもので、その論文は「Journal of Clinical Pharmacy and Therapeutics」オンライン版に3月15日付で掲載されました。
彼らは、糖尿病の3大合併症のひとつとしても知られる糖尿病性腎症について、近年発症する人が増えており、重症化や死亡率の面でも注目すべき事態となっているにもかかわらず、糖尿病性腎症と診断された患者は、ほとんどの糖尿病治療などの臨床試験で除外されており、研究が進んでいないと指摘、処方パターンを把握して、適切な治療を検討していくことが必要だと考えたことから、この調査を実施したとしています。
調査に際しては、米国の医療統計データベース「IMS Health's National Disease and Therapeutic Index」を用い、2010年から2014年にかけてのデータから、糖尿病性腎症を患う35歳以上の患者のものを抽出、6種類の治療薬について、その投薬処方パターンを分析しています。
SU薬とDPP-4阻害薬の処方が多い傾向
分析の結果、年間外来受診件数は、2010年で772,860件だったのに対し、2013年には1,868,618件にまで増加、その後2014年になって830,596件に減少していました。
対象患者への処方内容では、スルホニル尿素薬(SU薬)とジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬が最も頻繁に使われており、とくにDPP-4阻害剤は調査期間中、徐々に増加していく傾向がみられたそうです。調査期間最後の2014年第4四半期では、54%の外来患者に処方されています。
また調査期間全体を通して、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬は多くのケースで処方されており、その処方率は最高で90%を超えるまでになっていたそうです。しかし、この2剤の処方頻度が低下した期間も、一部では確認されたと報告されました。
彼らは今回の調査研究結果から、DPP-4阻害薬など新しいタイプの経口血糖降下薬を処方するケースが増加し、ACE阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬も広く用いられていることが判明、治療の複雑化が進行していることが明らかになったとし、今後も引き続き処方パターンの実態把握に努め、治療選択に影響を及ぼしうる因子に関しても検討していくことで、より効果的な治療法が個々に選択できるようになるだろうとまとめています。
(画像は写真素材 足成より)

Journal of Clinical Pharmacy and Therapeutics : National trends in the treatment of diabetic nephropathy in the United States
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