東京大学医学部附属病院の研究者チームは、悪玉コレステロールと呼ばれているLDLには、脂質を体内に運ぶだけでなく薬の運搬機能があることを発見しました。今後、投薬治療を効果的に行うための指針になると同グループは見ています。
これまで動脈硬化症リスクばかり注目されていたLDL
東京大学医学部附属病院薬剤部の研究者らのチームが発見したのは、LDLに関する新しい機能。
血液中に存在するLDLはこれまで、コレステロールや中性脂肪など脂質を運搬する機能が明らかになっていました。
高いLDLコレステロールの値は、脳梗塞や心疾患など、深刻な病気の原因となる動脈硬化症を引き起こすリスクの指標になるとして、定期健康診断などでも注目するべき値の1つでした。
脂溶性ビタミンのほか薬の運搬役としても機能
今回発表された研究成果によると、水に溶けにくい性質を持つ薬の多くが血液中のLDLに分布しており、血液から体内の各組織へ移行する体内挙動に関わっていることが見い出されたということです。
近年の研究でLDLは、脂肪だけでなくビタミンEやビタミンKなど脂溶性の栄養素を運ぶ働きもあるとして注目されていました。
今回の研究成果では、LDLとそれを細胞内に取り込むLDL受容体が、脂溶性ビタミンのみならず薬をも体内組織に移行させていることが明らかになりました。この点について研究者チームは、薬物動態学的な観点からもきわめて重要な成果が得られたと見ています。
研究成果は今後、脂質代謝の変動を考慮した薬の投与計画や、薬物治療を最適に行うために役立つと期待が寄せられています。
(画像はプレスリリースより)

東京大学医学部附属病院のプレスリリース
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