近年、先端技術を活かした革新的イノベーションで、健康寿命の延伸を図る社会的なプラットフォームの整備・実現に向けた取り組みが、活発に進められるところとなっています。今回、2型糖尿病とその予備群の方を対象とした新たな研究とその成果の社会還元動向に関する新たな発表がなされました。
東京大学COI拠点「自分で守る健康社会」に日本調剤が参画
全国47都道府県で調剤薬局を展開し、医療ICTへの投資や在宅医療なども積極的に行っている、日本調剤株式会社が3月29日に明らかとしたもので、同社は4月1日より東京大学COI拠点「自分で守る健康社会」に参画することを決めたそうです。
日本調剤では、昨年12月から東京大学大学院医学研究科と、2型糖尿病およびその予備群の方を対象にした自己管理支援アプリと電子お薬手帳の連携、薬剤師によるアドバイス提供といった治療介入効果に関する共同研究を開始しており、今回の拠点参画を通じ、研究成果として得られたノウハウなどを、実際の社会へと還元していくとしています。
「COI」と略される国立研究開発法人科学技術振興機構の推進するセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラムは、10年先を見据え、社会をどのように変えていくべきか、また人が変わるべきか、目指すべき社会像を設定し、既存の研究ジャンルや組織といった壁をなくして、ひとつの企業や大学などでは実現不可能な革新的イノベーションを産学連携で実現させるとともに、そうしたイノベーションを連続的に生み出していくプラットフォームを国内で整備することを目的として進められている活動です。
「自分で守る健康社会」も、このプログラムに沿う東京大学を拠点とするもので、「入院を外来に、外来を家庭に、家庭で健康に」をメインコンセプトとして掲げ、セルフメディケーションを推進、健康を自分で守るものとし、地域や世代間の失われた絆も取り戻す、次世代健康医療産業の基盤開発と、医療ICTを活かした「生涯ウェルビーイング」を実現する社会の構築などを目指した取り組みとなっています。
アプリを活かして自分で管理、かかりつけ薬剤師と進める暮らしの見直し
ここでは高齢社会の個々における満足度を改善させ、医療コストの低減にもつなげていく、そして健康寿命の延伸とそれを個人が追求する、健康幸福指数の高い社会の実現といったものが目指されており、成果が還元されれば、技術活用によって現在の医療と健康をめぐる問題が改善されると期待されています。
日本調剤が取り組んでいる共同研究は、東京大学大学院医学研究科健康空間情報学講座の開発した、2型糖尿病患者やその予備軍の方を対象とする、自己管理支援アプリ「GlucoNote」と、同社が独自に開発した電子お薬手帳の「お薬手帳プラス」を連携させ、さらにかかりつけ薬剤師による対面でのサポートを加えることで、アプリの利活用と病態への効果アップを目指し検証を行うものです。
「GlucoNote」は、Appleの提供するResearchKitを用いた、国内初の糖尿病自己管理支援アプリで、糖尿病の病態コントロールに影響する運動や食事などの生活習慣と、血糖値などの測定結果記録をサポート、生活習慣が血糖値や血圧、体重にどう影響するか、解析してデータ提供する仕組みともなっており、自宅で手軽に測定できる基礎データと生活習慣を関連づけ、2型糖尿病を改善するための適切なアドバイスを総合的に行っていくアプリとして生み出されました。
今回の発表は、いよいよデジタルによる管理支援と、身近なかかりつけ薬剤師のサポートという、セルフ管理の領域にありながら、科学的エビデンスに基づく効果の高い健康アドバイス情報の取得と実践といった新しいスタイルが、病態の進行と予防のため、実社会で活用されていくときが近づいてきたことを示しているといえるでしょう。
日本調剤では、こうした取り組みを推進し、さまざまな角度から社会に貢献する新時代の薬局づくりに努めていくとしており、今後の動向が注目されます。
(画像は東京大学COI拠点「自分で守る健康社会」ホームページより)

日本調剤株式会社 ニュースリリース
https://www.nicho.co.jp/corporate/info/16369/東京大学COI拠点「自分で守る健康社会」 ホームページ
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/slcas-coi/