地球規模の問題となっている温暖化や異常気象といった気候変動は、災害や感染症の流行などで人々の暮らしに多大な影響を及ぼしますが、意外なことに糖尿病の発症とも関連している可能性が最新の研究結果によって示唆され、話題を集めています。
年間気温の上昇につれて耐糖能異常が増加
この研究は、Lisanne L Blauw氏らのグループが行ったもので、3月21日付で医学専門誌「BMJ Open Diabetes Research & Care」に論文が掲載されました。
研究グループは、まず米国疾病対策センター(CDC)のデータをもとに、1996年~2009年に全米で確認された2型糖尿病の報告例を収集しました。また気温の変化をみるため、米国海洋大気局(NOAA)から、各州の年平均気温中央値データを入手しています。そしてこれらのデータを用い、メタ回帰分析による処理を施しました。
さらに世界保健機関(WHO)のデータから、世界の人々における空腹時血糖値や肥満、耐糖能異常など糖尿病に関連するデータを取得、平均気温と糖尿病の発生率などの関連性を検討しています。
直接の因果関係を示すものではないものの、糖尿病との有意な関連性を認める結果に
分析の結果、調査対象期間において、米国では屋外の年間平均気温が1度上昇すると、年齢による調整後のデータで、糖尿病の発生率は1,000人あたり0.314増加、およそ3~4%は発生率が高くなることが判明しました。
また同様に、世界でも気温が1度上昇するごとに、耐糖能異常の発生が0.170%増えていくことが確認されたそうです。なおこれらの関連性は、肥満のデータに基づくデータ補正を行っても、変わらず維持されていました。
今回の研究結果から、研究グループでは、米国における糖尿病発症率と、世界の糖尿病予備群といえる耐糖能異常発現割合は、屋外気温の上昇に関連して増加していることが分かったとまとめています。
一方で、相関関係は認められるものの、これによって気温上昇と糖尿病に直接的な因果関係が存在することを示すものではないともし、社会的な変化要素も含めて考慮するなど、さらなる研究が必要になるだろうとしました。
(画像は写真素材 足成より)

BMJ Open Diabetes Research & Care : Diabetes incidence and glucose intolerance prevalence increase with higher outdoor temperature
http://drc.bmj.com/content/5/1/e000317