かつて糖尿病は、1型糖尿病の症例数が少ないこともあり、ある程度年齢を重ねてから発症する疾患と考えられてきました。しかし、近年では小児期や青年期に、1型糖尿病のみならず、2型糖尿病を発症するケースも増加してきており、糖尿病は中高年齢層だけの問題ではなくなってきています。
若年期に発症するととくに2型は合併症有病率が高値に
こうした小児期や青年期に糖尿病を発症した患者の場合、長きにわたって糖尿病と闘っていかなければならなくなると予測されるほか、その後の健康状態に大きな影響を与えてしまうことが懸念されます。
そうした観点から、小児期および青年期に糖尿病を発症し、確定診断を受けたティーンエイジャーや若年成人患者を対象として、合併症の有病率に関する研究を行った結果が報告されました。研究成果をまとめた論文は、「JAMA」に2月28日付で掲載されています。
研究を行ったのは、Dana Dabelea氏のグループで、彼らは2002年~2015年にかけて米国の5カ所で実施された観察研究のデータをもとに、分析・検討を実施しました。このデータには、20歳になるよりも前に1型もしくは2型糖尿病と診断された2,018人の患者データが含まれています。
対象となった2,018人のうち、1,746人が1型糖尿病患者で、平均年齢は17.9歳、1,327人が白人で867人が女性でした。残る272人は2型糖尿病で、平均年齢は22.1歳、76人が白人で181人が女性だったそうです。いずれも平均糖尿病罹患期間は7.9年でした。
合併症を意識した早期からのサポートが重要
年齢などの調整を行った上でデータ解析を実行した結果、糖尿病性腎症を発症している割合は、2型糖尿病患者で19.9%、1型糖尿病患者で5.8%と2型の方が有意に高くなっていました。
また、糖尿病性末梢神経障害は2型糖尿病患者で17.7%、1型糖尿病患者では8.5%、糖尿病性網膜症は2型が9.1%、1型が5.6%、高脂血症を有している割合は2型で21.6%、1型で10.1%となり、動脈硬化がみられたのは2型で47.4%、1型では11.6%となり、いずれも2型糖尿病患者で有病率が高いことが判明しました。
なお心血管自律神経障害については、2型糖尿病患者で15.7%、1型糖尿病患者で14.4%と、他の項目ほど差はみられていません。
研究グループでは、さらに影響を与えうるリスク因子の調整を行って比較検討を実施しましたが、1型糖尿病の患者よりも、2型糖尿病患者において、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性末梢神経障害、高血圧の発症率は有意に高くなっていることが確認されたそうです。
今回の結果から、小児期または青年期に糖尿病と診断された若年層の糖尿病患者の場合、とくに2型糖尿病で合併症や併存疾患の有病率が高く、発症リスクも高い状態にあることが指摘されています。
1型糖尿病患者の場合でも、もちろん通常に比べると高いリスク状態にありますが、こうした知見を活かし、若年で糖尿病を発症した人に対する早期のモニタリングとサポートを充実させていくことが必要でしょう。
(画像は写真素材 足成より)

JAMA : Association of Type 1 Diabetes vs Type 2 Diabetes Diagnosed During Childhood and Adolescence With Complications During Teenage Years and Young Adulthood
http://jamanetwork.com/