糖尿病治療は、日々の生活におけるさまざまな場面でのコントロールを必要とし、また長期にわたるものであるため、患者さんにとっては負担となることもしばしばです。そこで、できる限りストレスを軽くし、生活の質を向上できるような治療法の開発も積極的に進められています。
週1回投与のセマグルチドで国内承認申請
そうした取り組みのひとつとなる新薬の製造販売承認申請が2月28日、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社によって発表されました。週1回皮下投与で用いるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)アナログのセマグルチドで、2型糖尿病を適応とし、厚生労働省への承認申請が行われています。
日本における申請は、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)、カナダ保健省(Health Canada)、スイス医薬品局(SwissMedic)に対して行われた申請に続くものとなるそうです。
セマグルチドは、血糖値に応じてインスリンの分泌を促進させるほか、グルカゴンの分泌を抑制するとともに食欲も抑え、食物摂取量を減らすタイプのヒトGLP-1アナログです。ノボ ノルディスクでは、この製剤の提供を「フレックスタッチ」などと同様の技術基盤をもったプレフィルド型のペン型注入器で行う予定としています。
血糖コントロールを良好にするとともに体重も適正化
承認申請は、SUSTAINと名付けられた臨床試験プログラムの結果に基づいて行われています。この試験には、8,000人以上の成人2型糖尿病患者が参加しており、日本からも約1,200人が参加しました。
被験者には、セマグルチドの週1回皮下投与が、単独、傾向血糖降下薬との併用、あるいは経口血糖降下薬と基礎インスリン製剤との併用でなされています。こうしてプログラム全体では、心血管アウトカム試験を含む7つの国際共同治験が実施されました。
SUSTAIN Japan monotherapy試験では、成人2型糖尿病患者308人を対象に、セマグルチド0.5mgあるいは1.0mgを週1回、30週にわたり投与、HbA1c値の変化量がベースライン時の平均8.1%から、シタグリプチン100mg群で0.7%の低下となったのに対し、セマグルチド0.5mg群では1.9%、1.0mg群では2.2%有意に低下することを確認しました。またシタグリプチンでは平均体重に変化がみられなかったものの、セマグルチドの場合0.5mg群で2.2kg、1.0mg群で3.9kgの有意な減少がみられています。
SUSTAIN Japan OAD combination試験では、成人2型糖尿病患者600人を対象に、セマグルチドの0.5mgあるいは1.0mgの週1回投与を、単独または経口血糖降下薬1剤との併用治療とで56週間にわたる結果を検討、HbA1c値をセマグルチド群が有意に低下させるほか、ベースラインの平均体重で経口血糖降下薬では増加がみられたのに対し、セマグルチドでは減少効果を確認しました。
そのほかSUSTAIN 1~6の試験が実施され、プログラム全体を通じて週1回のセマグルチド投与が、シタグリプチン、持続性エキセナチド、1日1回投与のインスリン グラルギン U100、プラセボと比較し、HbA1c値を統計学的に有意に低下させること、平均体重も有意に減少させることが明らかとなっています。
またセマグルチドについて、いずれの試験でも良好な安全性プロファイルが確認されており、もっとも高い頻度でみられた有害事象は悪心であったとされています。SUSTAIN 6試験からは、心血管リスクの高い2型糖尿病患者において、血管死、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中といった主要心血管イベントの発現リスクを有意に低下させたことも報告されました。
週1回投与のセマグルチドを導入することで、これまで不良だった血糖コントロールを改善したり、うまく行えていない体重管理を改善、適正に減少させたり、心血管リスクを低下させることができるようになる可能性があり、承認されれば多くの患者さんにおけるより良い治療をサポートするものとなることでしょう。
(画像はノボ ノルディスク ファーマ株式会社ホームページより)

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.novonordisk.co.jp/Novo Nordisk プレスリリース(原文)
http://www.novonordisk.com/bin/getPDF.2082302.pdfノボ ノルディスク ファーマ株式会社 ホームページ
http://www.novonordisk.co.jp/