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2026年07月17日(金)
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過度な炭水化物制限食には注意!SGLT2阻害薬の副作用に影響の可能性

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過度な炭水化物制限食には注意!SGLT2阻害薬の副作用に影響の可能性

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2型糖尿病の治療においては、日々の生活を改善する食事療法や運動療法、より高い効果を発揮させる薬物療法をバランスよく組み合わせて進めていくことがとても重要です。たとえば食事における糖質の制限、炭水化物を控えるといったことは、予防段階から一般的になされていますが、過度な制限を行うと、治療薬の安全性に影響を与え得ることが新たに報告され、注目を集めています。

極端な食事制限下で重篤な副作用が発現か
関西電力医学研究所が2月27日に発表したところによると、昨今急速に普及してきている新規糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬と呼ばれるタイプでは、日常の食事における炭水化物比率やグリセミック指数にかかわらず、血糖値を改善することが判明した一方、過度に炭水化物比率が低い場合、正常血糖糖尿病ケトアシドーシスを生じるリスクが高まることも明らかになったそうです。

この研究は、関西電力医学研究所所長で関西電力病院総長の清野裕氏、関西電力医学研究所副所長の矢部大介氏らの研究グループによってなされたもので、その成果は「Diabetes, Obesity and Metabolism」オンライン版に2月21日付で掲載されました。

炭水化物比率とは、食事に含まれる総エネルギーに占める炭水化物の割合で、栄養バランスを大まかにみる場合、炭水化物、脂質、たんぱく質のエネルギー比率を目安にすることが一般的です。日本糖尿病学会では、糖尿病の食事療法について50~60%を炭水化物、20%以下をたんぱく質、残りを脂質から摂取することを原則として推奨しています。

一方グリセミック指数というのは、食品ごとの血糖値の上がりやすさを示すもので、GI値などとも表記されます。この値が高いほど血糖上昇をきたしやすく、炭水化物量は同じでも、低GI食品を摂取する方が、血糖値の上昇を緩やかにできるとされています。

炭水化物制限
治療薬の使用は適正に!
SGLT2阻害薬と呼ばれるタイプの治療薬は、近位尿細管に存在し、糖の再吸収を担っているSGLT2の働きを阻害、余分な糖を尿とともに排泄させることで血糖値を下げることができます。ただし、その作用機序から尿路感染の危険性が高まることをはじめ、不適切な薬の使用に由来する重篤な副作用も報告されています。

とくに、血糖値が正常に近くてもケトアシドーシスを生じる正常血糖糖尿病ケトアシドーシスが、数は少ないものの発生しており、問題となっています。この症状は重く進行すると死に至る場合もあることから、発生原因の解明と対策が喫緊の課題とされているのです。

研究グループは今回、厳格な炭水化物制限中の患者で、SGLT2阻害薬の治療開始後に、正常血糖糖尿病ケトアシドーシスを発症したレイが報告されたことから、日常生活の食事とSGLT2阻害薬について調べました。

研究は、成人2型糖尿病患者23人を対象としてランダム化比較試験で実施、被験者を炭水化物比率55%・高GI、炭水化物比率55%・低GI、炭水化物比率40%・高GIの各食事を摂取する3群に無作為で割り付け、2週間継続して食べてもらったほか、後半の1週間にはSGLT2阻害薬のルセオグリフロジンを内服してもらっています。影響は皮下連続式グルコース測定(CGM)や採血によって測定、検討するものとしました。

その結果、いずれの群でもSGLT2阻害薬は有効性を発揮し、CGMで算出される血糖値が平均値でも、曲線下面積でも有意に低下し、改善されることが確認されました。しかし、炭水化物比率を40%に抑制した群では、他の55%とした2群に比べ、血中ケトン体が有意に上昇していることも明らかになったそうです。

今回の血中ケトン体値は安全な範囲内でしたが、より過度な炭水化物制限を行った食事をしている患者にSGLT2阻害薬を用いた場合、正常血糖糖尿病ケトアシドーシスを発現するリスクが高まる可能性が示唆されたといえます。

研究グループではこのメカニズムについて、SGLT2阻害薬により尿糖排出が促進されると、肝臓でのグリコーゲン分解・糖新生が活性化されるとともに、脂肪組織でも脂肪分解が促進され、脂肪組織から放出された遊離脂肪酸が肝臓でケトン体を合成するため、血中ケトン体濃度が上昇することが分かっています。この一連の生体反応が、過度な炭水化物制限を行っていると、ケトアシドーシスを生じるまでに助長されるためではないかと考えているそうです。

今回の研究は短期間かつ対象者も限られたものですが、糖尿病の安全な薬物療法と食事療法の関係を明らかにする上で、非常に重要な知見をもたらしているといえるでしょう。

研究グループでは、糖尿病治療は一般に長期に及ぶものであることから、まず動物モデルを用い、SGLT2阻害薬の安全性や有効性に対する食事内容の影響について、長期検討を行うなど、さらなる研究を進めていきたいとしています。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

関西電力病院/関西電力医学研究所 プレスリリース
http://kepmri.org/

Diabetes, Obesity and Metabolism : Sodium-glucose co-transporter-2 inhibitor use and dietary carbohydrate intake in Japanese individuals with type 2 diabetes : A randomized, open-label, 3-arm parallel comparative, exploratory study
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/dom.12848/full

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