歯周病は、糖尿病の数多い合併症のひとつとしてよく知られています。また、歯周病が糖尿病発症のリスクを高めることも、知られるようになってきました。つまり、歯周病を予防・治療することで、糖尿病リスクを軽減できるのです。
歯根膜を再生・強化する作用を研究によって確認
ロート製薬株式会社は3月2日、ハッカ油が歯根膜線維芽細胞の増殖を促進する効果を持つことを発見したと発表しました。さらに、医薬品の有効成分(止血成分)として知られる「カルバゾクロム」にも、歯周組織再生の基盤となる作用があることも発見しました。
今回の研究で同社は、ハッカ油を添加した歯根膜線維芽細胞において、細胞増殖が促進されることを確認し、カルバゾクロムについても、添加した歯根膜線維芽細胞において、コラーゲン産生を促進することを確認したとしています。
歯と歯槽骨の間にある歯根膜は、その60%がコラーゲン線維でできており、コラーゲン線維が歯と歯槽骨をしっかり連結できると、歯のぐらつきがなくなります。歯周病は、このコラーゲン線維を破壊し、その奥にある歯槽骨も溶かしてしまう疾病なのです。
歯周病の治療薬開発は糖尿病リスクの軽減にも
歯周病の発症には全身の抵抗性が大きく関与しており、身体の防御機能であるマクロファージの機能低下がみられる糖尿病患者は、歯周病関連細菌に感染しやすくなます。
一方で、歯周病関連細菌から出される内毒素が歯肉から血管に入り込むと、インスリンの分泌を阻害してしまうため、歯周病が糖尿病発症の要因となる、あるいは糖尿病を重症化させてしまうなどの危険性があるのです。
歯周病を予防・治療することは、糖尿病の重症化を予防できることはもちろん、糖尿病発症のリスクも軽減できます。今回の研究成果が、歯周病の新しい治療薬開発に結びつけば、糖尿病患者や糖尿病リスクを感じている人にとって、朗報となることは間違いなさそうです。
(画像はプレスリリースより)

ロート製薬株式会社プレスリリース
http://www.rohto.co.jp/news/release/2017/0302_01/