2型糖尿病や糖尿病前症で食事制限を行っている人にとって、より良い食事内容とはどういったものなのでしょうか。カロリーや糖質量に配慮しなければならないことはもちろんですが、しばしば植物性たんぱく質を積極的に摂る方が良いといった声も聞かれます。
動物性たんぱく質食と植物性たんぱく質食を比較
こうした見解を検証すべく、動物性たんぱく質食と植物性たんぱく質食で、2型糖尿病患者における代謝や心血管イベント発生リスクにどのような差が現れるのか、観察研究を行った結果が、「Diabetes, Obesity and Metabolism」のオンライン版に2月9日付で掲載されました。
研究を行ったのは、Stephanie Sucher氏、Andreas F. H. Pfeiffer氏らの研究グループで、2型糖尿病患者44人を対象に実験観察を実施しています。彼らは、新たに開発された植物性たんぱく質に富む食品を用い、熱量の30%を植物性たんぱく質、30%を脂肪、40%を炭水化物とした食事と、30%を動物性たんぱく質、30%を脂肪、40%を炭水化物とした食事を用意し、対象となった患者らへランダムに割り付けて摂取してもらいました。
観察研究は6週間にわたって実施し、それぞれの群でインスリン感受性や心血管イベントリスクを比較、インスリン感受性については高インスリン血糖上昇クランプで評価しています。
調整を行えば、たんぱく質の種別に関わりなく同程度の効果が発現
研究の結果、尿酸はいずれの食事を摂取した群でも減少しましたが、植物性たんぱく質群よりも動物性たんぱく質群で、より大きな減少がみられました。
一方、HbA1c値と拡張期血圧、空腹時遊離脂肪酸(NEFA)は植物性たんぱく質群で有意な改善が認められ、動物性たんぱく質群では有意な改善はみられませんでした。しかし、それ以外のパラメータにおける有意な群間差は認められなかったことも報告されています。
またインスリン感受性やC反応性たんぱく質、空腹時血糖値は、動物性たんぱく質群で有意な改善がみられたものの、植物性たんぱく質群では有意な改善は認められませんでした。総コレステロール値とLDLコレステロール値、収縮期血圧は両群とも有意に減少・改善し、尿アルブミン排泄率はベースラインにおける微小アルブミン患者で低下がみられたそうです。
研究グループではこれらの結果を総合し、カロリー調整を同等に行った動物性または植物性たんぱく質の高濃度食を2型糖尿病患者に摂取してもらうと、代謝や心血管イベントの発生リスクが同程度に改善されるとして、動物由来、植物由来といったアミノ酸組成の違いが治療介入における代謝への効果に影響をもたらすことはないようだとまとめています。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes, Obesity and Metabolism : A comparison of the effects of diets high in animal or plant protein on metabolic and cardiovascular markers in type 2 diabetes – a randomized clinical trial
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/dom.12901/full