糖尿病治療は日々進化を遂げており、それぞれに状態の異なる患者さんがより高い効果を得て、安心・安全に、豊かに暮らすことができるよう、さまざまな薬や治療選択肢の開発が進められています。
作用機序の異なる糖尿病治療薬固定用量配合剤「Qtern」
そうした取り組みにおけるまた新たなものとして、アストラゼネカ株式会社は3日、同社の開発した新しい糖尿病治療薬、固定用量配合剤「Qtern錠」が、米国食品医薬品局(FDA)によって2型糖尿病治療薬で承認されたことを発表しました。
日本では「フォシーガ」の製品名で発売されている、ダパグリフロジン10mgの単剤治療では、十分な血糖コントロールが行えていない2型糖尿病患者や、ダパグリフロジンとジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害剤のサキサグリプチンによる併用治療を受けている2型糖尿病患者に用いられることとなっており、1日1回の服用すればよく、食事・運動療法とあわせて取り入れていくことで、効果が期待されるものとなっています。
現時点では日本における開発はなし
「Qtern錠」は、いわゆるSGLT2阻害剤と呼ばれる、ナトリウム・グルコース共輸送体2の働きを阻害し、腎臓における糖の再吸収を防ぎ、余分な糖を尿とともに体外へ排出させて血糖値を下げるタイプのダパグリフロジンと、インスリンの分泌を強める作用のある消化管ホルモン、インクレチンを分解する酵素の働きを阻害してインスリンの働きを強めるタイプのDPP-4阻害剤であるサキサグリプチンという、2つの作用機序が異なる薬を配合剤として1つにした薬です。
1錠にダパグリフロジン10mgとサキサグリプチン5mgを含んでおり、今回のFDAによる承認は、1日あたり1,500mg以上のメトホルミンによる治療では血糖コントロールが不十分で、HbA1c値が7.0%以上10.5%以下にある成人2型糖尿病患者を対象とした試験結果に基づいて行われました。
この試験は、24週間にわたる315人を対象とした多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験として実施されており、ダパグリフロジンとサキサグリプチンでの治療を追加することで良好な効果が得られること、安全性に問題がないことが確認されています。
また、ダパグリフロジンとサキサグリプチンの併用に関する安全性は、54週目までのプラセボ対照第3相試験3本を統合した、対象者1,169人、うち492人が「Qtern」対照とされる安全性分析によって評価がなされているそうです。
「Qtern錠」は、配合剤として1日1回の服用ですむものとなるため、SGLT2阻害剤とDPP-4阻害剤の併用療法が有効な患者さんの日々の負担を軽減し、服薬アドヒアランスを向上させると期待されます。同剤の日本における開発は、現時点でなされていないとのことですが、さまざまな角度からQOLを向上させつつ、血糖コントロールも良好にしていく選択肢が広がっていくことが、引き続き望まれます。
(画像はアストラゼネカ株式会社ホームページより)

アストラゼネカ株式会社 プレスリリース
https://www.astrazeneca.co.jp/