近年、糖尿病を患う人の数は年を追うごとに増加し、同じ糖尿病患者でも、さまざまな背景をもった方がいるようになってきています。中にはうつ病や不安障害を抱えている人もあり、全身の健康を取り戻すために、より幅広い角度からの治療が必要となっているケースもあるようです。
ノルウェーのデータ研究で死亡リスクの増加が判明
こうしたうつや不安障害と2型糖尿病との併発が、患者の死亡率にどのような影響を与えているか調べる研究がなされ、専門誌「Diabetes Care」のオンライン版に1月11日付で掲載されました。
この研究は、Kiyuri Naicker氏らの研究グループによるもので、ノルウェーにおいて実施された研究「HUNT2」の被験者となったノルウェー人64,177人のデータを用い、同国の死亡原因記録とつき合わせて、1995年~2013年の期間で、対象者における全死因の死亡率を評価する調査研究として実施されています。
なお、対象期間の18年間における2型糖尿病と関連した死亡リスクと、ベースライン時に併存する精神面の徴候の有無については、Cox比例ハザードモデルを用いて解析したそうです。その結果、うつ病または不安障害があると、2型糖尿病患者の死亡リスクは有意に増加していることが明らかになりました。
うつ病合併の男性で最も高い死亡リスク
また死亡リスクの上昇は、不安障害の傾向がある2型糖尿病患者の場合が最も小幅で、不安障害とうつ病の両方をもつ患者が中程度、うつ病を併発する患者で最も大きなリスク上昇となっていました。
さらに男女別でみると、2型糖尿病患者の男性では、うつ病や不安障害による過剰死亡リスクが確認された一方で、女性の場合では、そうした有意な傾向はみられないことが分かったそうです。
これらから、2型糖尿病とうつ病の症状がある男性で死亡リスクが最も高くなることが判明し、そのハザード比は3.47となったことが報告されました。
糖尿病に対する治療を進めていくとともに、精神面を含めた全身の健康に気を配っていくことが重要であることを、あらためて示した研究結果といえるでしょう。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes Care : Type 2 Diabetes and Comorbid Symptoms of Depression and Anxiety : Longitudinal Associations With Mortality Risk
http://care.diabetesjournals.org/content/40/3/352