2017年2月15日、千葉大学の殿城亜矢子助教、伊藤素行教授らの研究チームは記憶を維持するためにはインスリンとインスリン依存性の脂肪細胞内シグナルが必要であることがわかったと発表しました。
インスリンの役割
インスリンは膵臓に存在するランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるホルモン。血糖の調整や抑える作用がよく知られているホルモンですが、骨格筋においてアミノ酸やカリウム、グルコースの取り組みを促進したりタンパク質の合成を促進したりする作用もあります。
インスリンは細胞膜に存在するインスリン受容体に結合して細胞にシグナルを伝えます。これをインスリンシグナルと呼ぶのですが、このシグナルが生物の発生から成長、代謝の抑制などに重要な役割を果たすことが知られています。
最近の研究によって、インスリンが学習や記憶に関与しているのではないかと考えられています。また、糖尿病などが原因のインスリン調節異常が認知症のリスクファクターになるのではないかとも考えられているのです。
インスリンシグナルと記憶の維持
今回の研究で、同研究チームはショウジョウバエを用いました。ショウジョウバエは老化すると記憶能力が低下することが知られており、電気刺激とニオイによる条件付けで学習能や記憶能を簡単に測定することが可能です。
この研究で一過的にインスリンシグナルを抑えたショウジョウバエを作り、学習能や記憶能を測定してみるとインスリンシグナルが記憶を維持するために必要なことがわかりました。
今回の研究結果は加齢が原因の記憶低下の原因解明にも役立つのではないかと大きな期待が寄せられています。
(画像はプレスリリースより)

千葉大学 プレスリリース
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