2型糖尿病の場合、その発症と進行にはさまざまな因子が関係しており、その治療においても、まさに生活習慣病として、生活全般を見直すことが必要となります。その重要性を示すものともなる新たな研究報告が「The Spine Journal」2月号に掲載されました。
腰部脊柱管狭窄症の手術で身体活動量増加
これは、Kyoung-Tae Kim氏ら韓国の研究チームによって報告されたもので、腰部脊柱管狭窄症を合併する2型糖尿病患者の場合、外科手術が成功し、症状が改善すると、血糖コントロールや適切な体重の維持についても改善されることを、2年間の追跡調査で示しています。
腰部脊柱管狭窄症は、加齢に伴って発生する脊髄変性症のひとつとして広くみられるもので、腰椎内部の神経通路である脊柱管が狭くなり、中の神経組織を圧迫することで症状が現れる病気です。
腰痛や違和感があり、足にしびれや痛みを生じることが多く、安静にしているとさほど気にならないものの、歩くと痛みやしびれが強く生じて歩行困難となったり、階段でつまずきやすくなったりすることが知られています。症状が進むと、排尿障害や排便障害をきたすこともあります。
研究チームでは、こうした腰部脊柱管狭窄症を合併する2型糖尿病患者を対象として、外科手術を施した場合、その後のBMI指数やHbA1c値がどうなるかを検討しました。
HbA1c値が有意に術前より改善、過体重の患者は減量にも成功
研究では、腰部脊柱管狭窄症の外科手術成功度合いを背中の痛みや足の痛みに対するVisual analogue scaleスコアや、評価アンケート、日本整形外科学会のJOAスコアなどでみるものとし、これらとBMI指数、HbA1c値の関連性を調べています。
対象となった腰部脊柱管狭窄症を合併する2型糖尿病患者で、外科手術に成功した人は119人で、研究チームは彼らに対し、2年間の前向き追跡調査を実施、手術後6カ月、1年、2年でのデータ測定を行いました。
その結果、術後6カ月、1年、2年のHbA1c値は、平均でそれぞれ7.08%、6.58%、6.59%となり、術前に血糖コントロールが不十分なHbA1c値6.5%超であった患者群では、術後のHbA1c値が統計学的に有意に低下していることが確認されました。
さらにBMI指数が25を超える過体重であった患者の場合では、術後2年目でBMI指数に有意な低下がみられています。また、こうした術後の血糖コントロール改善にみられる変化は、腰部脊柱管狭窄症の状態を評価する各種スコアの改善と、強い相関関係があったことも報告されています。
これらの結果から研究チームでは、腰部脊柱管狭窄症を合併する2型糖尿病患者の場合、腰部の外科手術に成功すると、それまで活動を妨げていた痛みやしびれが軽減される、あるいはなくなることから、身体活動量の増加につながり、血糖コントロールの改善も促進され得るほか、過体重の場合、体重減少にもつなげられるとし、調査によってもこのことが実証されたとしました。
(画像は写真素材 足成より)

The Spine Journal : Changes in HbA1c levels and body mass index after successful decompression surgery in patients with type 2 diabetes mellitus and lumbar spinal stenosis : results of a 2-year follow-up study
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