脂肪が蓄積された肥満傾向にある人の場合、2型糖尿病を発症する危険性が高まることはすでに知られていますが、その脂肪のつき方によってもリスクが異なることが最新の研究で明らかになりました。それによると、脂肪のつき方は個人の遺伝子構成によって決まっており、糖尿病とともに心臓病の発生リスクとも関連しているといいます。
あなたは“リンゴ体型”それとも“洋ナシ体型”?
この研究報告は、Connor A. Emdin氏らの研究チームによってなされたもので、その論文は、医学誌「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に2月14日付で掲載されています。
一口に肥満傾向といっても、その体型はさまざまで、大別すると腹部に脂肪が蓄積されやすい“リンゴ体型”の人と、腹部より腰回りや太腿といったより下半身側に脂肪がたまりやすい“洋ナシ体型”の人がいます。
そこで今回研究チームでは、こうした違いに着目しながら、ウエストとヒップの比率から算出した腹部肥満率とBMI指数を用い、2型糖尿病および冠状動脈性心疾患の発症リスクについて、関連性を検討しました。
調査データとして、2007年~2015年に実施された322,154人に対する4つのゲノムワイド関連研究と、英国バイオバンクの2007年~2015年における個人データ111,986人分を収集しています。
腹部に脂肪が蓄積されやすい48の特定遺伝子保有者で両疾患のリスクが上昇
これまでの研究で、主に腹部に脂肪が蓄積される“リンゴ体型”の腹部肥満率には、関連する遺伝子変異として48個が同定されています。
そこで、研究チームはこの48の遺伝子変異をBMI指数、ウエストとヒップの比率と関連づけてポリジェニックリスクスコアを構築、このスコアを指標とし、代謝特性や2型糖尿病発症、冠状動脈性心疾患との関係を調べました。
英国バイオバンクの111,986人における平均年齢は57歳で、52.5%が女性、ウエストとヒップの平均比率は0.875でした。解析の結果、このポリジェニックリスクスコアで媒介される1-SDの増加が27mg/dLのトリグリセリドレベル上昇と関与しているほか、食後2時間の血糖値における4.1mg/dLの上昇、収縮期血圧の2.1mmHg上昇と関連していることが判明したそうです。
BMI指数を調整後の解析で、関連遺伝子を1-SD有しているほどに2型糖尿病発症のリスクは上昇し、そのオッズ比は1.77であったことも報告されました。参加者1,000人年の絶対リスクで算出すると、2型糖尿病の発症リスクは6.0倍、冠状動脈性心疾患の発症リスクは1.8倍と、いずれも有意に高かったそうです。
これらの結果から研究チームでは、腹部肥満率を上昇させやすい特定の遺伝子を有する人、ウエスト・ヒップの比率が高くなりやすい遺伝的素因をもった人では、2型糖尿病と冠状動脈性心疾患の発症リスクが有意に増加するとし、あわせてその他の結果に影響を与えうる要素を除いても、独立した関連性が確認できたことから、腹部肥満と2型糖尿病、冠状動脈性心疾患の発症には因果関係が認められるとしています。
(画像は写真素材 足成より)

JAMA : Genetic Association of Waist-to-Hip Ratio With Cardiometabolic Traits, Type 2 Diabetes, and Coronary Heart Disease
http://jamanetwork.com/