糖尿病はまさに生活とともにある疾患であり、日々の暮らし全般における取り組みが治療効果を大きく左右するものとなります。そのため医学的サポートの面でも、きわめて多領域にわたることから、多職種によるスムーズな連携、チーム医療体制の構築が欠かせません。
糖尿病療養支援チームを結成した長寿医療研究センター
こうした観点から、国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターでは、医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師(糖尿病療養指導士を含む)からなる、専門の糖尿病療養支援チームを結成し、多職種連携による、患者さんへの糖尿病療養指導を行っています。
同センターは7日、立ち上げて2年となるこの活動を紹介した「糖尿病療養支援チームレターVol.1」を発行しました。レターはホームページからPDF資料として公開されており、誰もが自由に閲覧することができます。
国立長寿医療研究センターの糖尿病療養支援チームでは、まず「内分泌代謝内科入院」として、一般的な患者への生活習慣指導などを行う教育入院だけでなく、高齢者向けの指導や療養環境を整えるためのアドバイスと実践する入院を7~10日間で行っています。
病棟スタッフを含めた多職種連携でのカンファレンスを実施し、個々の患者さんに合った療養環境を整えるよう努めているそうです。また、糖尿病において大きな問題となる合併症に関し、2泊3日での「合併症評価入院」も行っています。
疾患に対する知識の醸成と治療意識向上を図るため、糖尿病教室も積極的に開催しています。教室を通じ、身体機能や認知機能が低下して虚弱な状態となっている、またそうした状態に準じる活力低下状態にある高齢の糖尿病患者にもランダム化群間比較介入試験として介入サポートを実施したり、ランチタイム教室として、個別対応した糖尿病食を実際に食べてもらい、講義や運動指導と合わせた実践的な指導を行ったりといった活動も行われているそうです。
注目の高まるフットケアもサポート、自由な発想で多角的に展開
近年、糖尿病患者に対するサポートとして、国内での対応が遅れており、より手厚く行っていくべきとされるフットケアにも力を入れています。「フットケア外来」で、糖尿病重症化予防の研修を受けた糖尿病療養指導士が患者さんの指導にあたったり、内分泌代謝内科に入院中の患者さんには、全員に「フットケアスクリーニングシート」を用いた足病変チェックを行ったりと、早期に異変をキャッチし、対応できる仕組みを整える工夫がなされています。
さらに他科へ入院中で糖尿病も有している患者さんには、必要に応じて外来で糖尿病療養指導士による短期間の指導を受けてもらっているほか、外来通院中の糖尿病患者さんには、月1回の割合でリハビリ室を用いた運動指導も受けてもらうようにするなどし、より幅広く、手厚いサポートを提供しています。
多岐にわたる糖尿病との闘いは困難な点も多いものですが、こうしたチーム連携体制の整備と、患者自身がその中心として積極的に治療へ関わっていくことが実現されれば、より効果的に状態を改善させたり、進行を抑制したりすることが可能となるでしょう。
その実現に向け、こうした先進的取り組みがより柔軟に広がっていくことを期待したいですね。
(画像は国立長寿医療研究センターホームページより)

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 「糖尿病療養支援チームレター Vol.1」
http://www.ncgg.go.jp/国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター ホームページ
http://www.ncgg.go.jp/index.html