糖尿病は初期における自覚症状がほとんどなく、日常化した生活習慣に伴って進行するため、深刻にとらえられにくい傾向がありますが、3大合併症をはじめとするさまざまな症状を引き起こすほか、多くの疾患における発症リスクを上げるものとなるなど、放置すれば命に関わる病気です。
糖尿病に起因する死亡は第3位
そしてその糖尿病の恐ろしさは、これまで考えられてきたよりも、さらに大きなものであることを示す最新の研究が、専門誌「PLOS ONE」オンライン版に1月25日付で掲載されました。この研究はAndrew Stokes氏らによるもので、米国において、糖尿病が人々の死亡とどの程度関係しているかを調査したものとなっています。
研究チームでは、1997年~2009年の国民健康調査(National Health Interview Survey・NHIS)と、1999年~2010年の間の国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey・NHANES)で調査対象となった30~84歳について、2011年まで追跡調査を実施、人口帰属率(PAF)コホート研究で解析を行いました。
NHISの対象者は282,322人、NHANESの対象者は21,814人です。糖尿病については、それぞれ確定診断を受けているかどうか自己申告してもらったデータと、NHANESで測定されたHbA1c値を用いて判断しました。解析結果のハザード比は、年齢、性別、人種・民族性、教育、喫煙状況などを考慮して調整したCoxモデルで算出されています。
予防と治療のさらなる強化が必要
データ解析の結果、糖尿病に起因する死亡者の割合は、NHISの自己申告に基づいたもので11.5%、NHANESの自己申告に基づくもので11.7%、NHANESのHbA1c値で糖尿病と判定した人で11.8%となり、いずれも約12%と一貫性のある数値になりました。
この12%という値は、心疾患、がんに次いで死因の第3位を占めるものとなります。実際に米国で糖尿病が根本的な死因であると報告されている割合は3.3~3.7%であるため、解析結果と比較すると、死亡に糖尿病が関与しているという事実がかなり抑制的にしか表されていないことが分かります。
調査したサブグループの中では、肥満状態にある人でPAFは最も高くなり、19.4%でした。また全死因において、糖尿病を有していない人の群と糖尿病患者群を比較すると、糖尿病患者群の方が死亡率は90%高いことも明らかになりました。
これらの結果から研究チームでは、これまで考えられてきた以上に糖尿病が米国の死亡に関わっていることは明らかであり、糖尿病の予防および治療を幅広く強化していく必要性があるとまとめています。
研究は米国におけるものですが、あらためて糖尿病という疾患の恐ろしさを正しく知り、予防や治療へ早期から積極的に取り組んでいきたいですね。
(画像は写真素材 足成より)

PLOS ONE : Deaths Attributable to Diabetes in the United States : Comparison of Data Sources and Estimation Approaches
http://journals.plos.org/