世界中で患者数が増加している糖尿病ですが、多くの人口を有する中国でもここ数十年で急速に糖尿病患者が増加しており、これに起因する死亡も増えてきているといわれています。
農村部と都市部で患者調査を実施
こうした中国の現状について、農村部と都市部で糖尿病患者数とその死亡リスクを分析した最新の研究結果が、1月17日の「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に掲載されました。Fiona Bragg氏らによる研究で、中国全土7年間にわたる調査を実施、糖尿病による超過死亡を前向き研究により調べています。
対象となったのは、中国の512,869人で、5つの農村部地域、5つの都市部地域に居住する30~79歳です。平均年齢は51.5歳、女性が302,618人で全体の59%を占めています。研究チームはこの被験者を2004年6月~2008年7月に集め、2014年1月まで追跡調査を行いました。
対象者のうち、糖尿病と診断されたのは、30,289人で全体の5.9%、農村部では4.1%、都市部で8.1%となり、より都市部に患者が多い傾向となりました。男性では全体の5.8%、女性が全体の6.1%と報告されています。
非糖尿病者に比べ死亡リスクが2倍、農村部では患者割合は少ないものの高い死亡率に
3,640,000人の追跡調査期間中、24,909人の死亡例があり、糖尿病患者の死亡は3,384例でした。糖尿病を有していない成人に比較し、成人糖尿病患者の全死因死亡リスクは有意に高く、調整済みの値で2.00倍となっていたそうです。
農村部と都市部のそれぞれで分析すると、糖尿病患者の全死因死亡リスクは、農村部で2.17倍、都市部で1.83倍となり、都市部よりも農村部で高い傾向が明らかになっています。
糖尿病と関連する死因の有意な増加は幅広い疾患で認められ、虚血性心疾患が2.40倍のリスク、脳卒中が1.98倍、慢性肝疾患が2.32倍、感染症が2.29倍、肝臓がんで1.54倍、膵臓がん1.84倍、乳がん1.84倍、女性の生殖器系疾患で1.81倍などとなっていました。
なかでも慢性腎臓病の死亡リスクは高く、とくに農村部にいたっては18.69倍となり、都市部でも6.83倍になっていたとされています。また糖尿病患者の全死亡のうち、10%(農村部の16%、都市部の4%)は、糖尿病性のケトアシドーシスまたは昏睡であったとみられています。
こうした分析結果から研究チームでは、中国における成人糖尿病患者では、広範囲にわたる心血管疾患・非心血管疾患の死亡率増加がみられるとし、若年層でも糖尿病発症が増えてきていることも踏まえ、将来への懸念を示しました。
あわせて現状、糖尿病は都市部でより一般的な疾患となっており、発症率・罹患率が高くなっているものの、農村部では糖尿病に関連する死亡リスクが都市部よりも高いことが判明したともしています。
(画像は写真素材 足成より)

JAMA : Association Between Diabetes and Cause-Specific Mortality in Rural and Urban Areas of China
http://jamanetwork.com/