主に自己免疫によって発症するとみられている1型糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島β細胞が破壊されてしまうため、インスリンの産生・分泌が全く行われなくなり、毎日複数回のインスリン注射やインスリンポンプを利用しなければなりません。しかしインスリンの適切な投与量を調整することは容易でなく、多すぎても少なすぎても、身体に大きな悪影響を及ぼす事態となってしまうのです。
難しい血糖コントロールがCGMで良好に
こうした日々の管理が難しい1型糖尿病において、CGM(持続血糖測定)機器の導入が有益とする研究が「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に、1月24日付で掲載されました。
CGM(Continuous Glucose Monitoring)システムは、皮下組織に専用のセンサを挿入し、連続的にグルコース濃度の推移を測定、搭載された送信機でデータを発信し、受信機でデータの処理や蓄積を行うものです。これまで難しかった血糖値の日内変動やその傾向を把握できるようになり、より適切で安全な糖尿病の治療介入が可能になると期待されています。
今回研究を行ったのは、Marcus Lind氏らのチームで、2014年2月24日~2016年6月1日の期間、スウェーデンにおける15の施設で、糖尿病外来を訪れた1型糖尿病患者161人を対象とし、オープンラベル・クロスオーバー・ランダム化試験として、CGMの導入有益性を検討しました。
HbA1c値がCGM群で良好、低血糖の発生頻度も低下
患者は毎日のインスリン注射により、HbA1c値が少なくとも7.5%になるようにしています。研究チームは、この対象患者161人について、17週間の血糖測定を行わない期間を経て、CGMを26週間継続使用する群と、従来通りに血糖値の自己管理を行う群とに無作為で割り付け、それぞれのグループの第26週と第69週のHbA1c値、また重度の低血糖を含む有害事象の発生頻度について調べました。
161人の平均年齢は43.7歳で、女性が45.3%、平均HbA1c値は8.6%でした。フォローアップ期間中に得られた有効データは142人分となっています。試験の結果、HbA1c値は、CGM使用群、自己管理群のいずれも低下しましたが、CGM使用群では7.92%、自己管理群は8.35%と、CGMを用いた方がより改善されることが明らかとなりました。CGM使用群と自己管理群の平均差は0.43%あり、この違いは患者にとって大きな意味のあるものだとされています。
また、心理的なものも含んだ19の副次的項目において、6つは従来の自己管理を行った群よりも、CGMを使用した群が、統計学的に有意に優れていたといい、重度の低血糖発症も自己管理群では5人にみられた一方、CGM群では1人と、発生頻度を下げられることが分かりました。なお、自己管理群の患者で試験から外れた期間には、7人が重度の低血糖を発症しています。
これらの結果から研究チームでは、1型糖尿病患者においてCGMを導入することは、より長期にわたる効果についてはさらなる研究が必要だとしながらも、HbA1c値を低下させるほか、低血糖リスクを低減させられるなど、血糖コントロールを良好にする可能性が高く、有益と考えられるとしました。
(画像は写真素材 足成より)

JAMA : Continuous Glucose Monitoring vs Conventional Therapy for Glycemic Control in Adults With Type 1 Diabetes Treated With Multiple Daily Insulin Injections
http://jamanetwork.com/