昨今の2型糖尿病治療においては、さまざまな治療選択肢が登場し、個々に合ったものを用いることで、高い効果を得られるようになってきています。しかし一方で、治療を継続しているにもかかわらず、依然血糖コントロール不良な状態が続いてしまうケースもあり、こうした患者におけるアンメットメディカルニーズへいかに応えていくかが課題ともなっているのです。
メトホルミンとSU薬の併用療法で効果不十分な患者にエキセナチドとピオグリタゾンを併用
専門誌「Diabetes Care」のオンライン版に1月17日付で掲載された最新の研究報告によると、メトホルミンとスルホニルウ尿素薬(SU薬)の併用療法を施しても、長期にわたって血糖コントロールが不良な患者の場合、エキセナチドとピオグリタゾンによる併用療法が有効な治療選択肢となる可能性が示唆されました。
この研究は、Muhammad Abdul-Ghani氏らの研究チームが「カタール試験」として実施したもので、GLP-1受容体作動薬のエキセナチドとチアゾリジン系薬のピオグリタゾンを用いる2型糖尿病への併用療法について、その有効性と安全性を検証することが目的となっています。
研究チームは、メトホルミンとSU薬を併用しても、HbA1c値が7.5%超の状態にある2型糖尿病患者231人を対象に、ピオグリタゾンと週1回のエキセナチドによる併用療法を行う群と、基礎・追加インスリン療法(Basal-Bolus療法)を行う群とに、患者をランダムで割り付け、比較検討を行いました。治療効果としては、HbA1c値を7.0%未満で維持することを目標としています。
体重増や低血糖発現の抑制でもメリット
平均12カ月にわたる追跡調査の結果、エキセナチドとピオグリタゾンの併用療法群では、平均HbA1c値がベースライン時の10.0%(前後0.6%の閾値)から、6.1%(前後0.1%の閾値)へと顕著に低下、高い効果を確認することができました。これに対し、基礎・追加インスリン療法群では、7.1%(前後0.1%の閾値)の低下にとどまっていました。
また、エキセナチドとピオグリタゾン併用療法によるHbA1c値の低下効果は、対象患者の性別や人種、BMI指数、ベースライン時のHbA1c値とは無関係に確かなものであることが認められています。
さらに基礎・追加インスリン療法を受けた患者群では、エキセナチドとピオグリタゾンの併用療法群に比べ、体重が増加したケースが有意に多かったほか、低血糖症の発現も3倍高くなったことも報告されました。
こうした結果から研究チームでは、エキセナチドとピオグリタゾンの併用療法は、メトホルミンとSU薬による療法で長期にわたり血糖コントロール不良な状態となっている2型糖尿病患者に、きわめて効果的かつ安全性の高い治療選択肢となるだろうと結論づけています。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes Care : Combination Therapy With Exenatide Plus Pioglitazone Versus Basal/Bolus Insulin in Poorly Controlled Patients With Type 2 Diabetes on Sulfonylurea Plus Metformin : The Qatar Study
http://care.diabetesjournals.org/