2型糖尿病の発症については、主に運動不足や食生活の乱れなど生活習慣に由来するところが大きいとされています。しかし、実際にはさまざまな要因が複雑に絡み合って発症しているとみられ、リスク因子もさまざまなところに存在することが判明してきました。
いくつかのアポリポ蛋白レベルが高いと糖尿病リスクも高い結果に
そうした中、最新の研究で、新たに一部のアポリポ蛋白レベルが2型糖尿病の発症と強い関連性があることが示され、注目を集めるところとなっています。なおアポリポ蛋白とは、水に対して不溶性を示す脂質が血中で運搬される際、蛋白と結合してリポ蛋白となっているのですが、この蛋白部分のことをいい、脂質代謝を規定する成分として知られている一群のものをこう呼びます。
研究は、Adela Brahimaj氏らの研究チームによるもので、その成果は「Diabetes Care」オンライン版に12月28日付で掲載されました。研究チームは、過去に実施された前向きコホート研究、Rotterdam Studyに参加した971人のデータを用い、HDLコレステロール値や、apoA1、apoCIII、apoD、apoEといったアポリポ蛋白のレベルと2型糖尿病発症について、その関連性を検討しています。
方法としては、全アポリポ蛋白の比率、およびHDLコレステロールレベルは、自然対数変換で正規分布させ、まず空腹時血糖値とインスリンとの横断的関連を線形回帰モデルで調べました。さらにCox比例ハザードモデルを用い、アポリポ蛋白がベースライン時点で糖尿病非有病者における将来の発症リスクを予測するものとなりうるかどうかについても調べています。
これまで知られてきたリスク因子とは無関係に発症と関連
中央値で13.5年の観察期間中に、糖尿病を発症した人は110人でした。対象者について、年齢や性別、BMI指数、糖尿病の家族既往歴、高血圧、アルコール摂取、喫煙習慣、心血管疾患や脂質低下剤の使用など、結果に影響を与えうる要素について調整を行った上でスコアを算出したところ、HDLコレステロールのハザード比(リスク関連性)は0.74となりました。
それに対し、apoCIIIは1.65、apoEが1.36で、apoCIII対apoA1の比率は1.72、apoE対apoA1の比率は1.28、全アポリポ蛋白のスコアでは1.60となり、2型糖尿病発症との確かな関連性があることが明らかとなっています。
研究チームは、さらに中性脂肪についての調整を施して再解析も行っていますが、この場合ではapoCIIIとapoCIII対apoA1の比率のみが、糖尿病発症との関連性を維持する結果となり、ハザード比はそれぞれ1.42、1.56となったそうです。
こうした一連の結果から、血中におけるリポ蛋白のapoCIIIレベルおよびapoCIIIとapoA1との比率は、有意に2型糖尿病発症と関連しているといえ、その関連性はすでに知られているリスク因子とは無関係に独立して立証できるものであること、またHDLコレステロールレベルのもつ関連性よりもさらに強いものであることが判明したとまとめられています。
新たなリスク因子を明らかにしていくことで、より効果的な予防法の開発などにつながっていくことが望まれます。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes Care : Serum Levels of Apolipoproteins and Incident Type 2 Diabetes : A Prospective Cohort Study
http://care.diabetesjournals.org/