糖尿病は従来、その多くを占める2型が糖質の多量摂取と運動不足といった生活習慣の乱れに由来するところが大きいため、先進国ほど患者数の多い疾患とされてきました。しかし近年では先進国における増加も続く一方で、低所得・中所得国における発症も増加、とくに糖尿病に由来する死者数でみると、8割程度がこうした地域の人々であるとの報告もなされています。
ダボス会議で発表、非感染性疾患対策に取り組む初のグローバルイニシアティブ
このように罹患者数の増加と影響の広がりが懸念される糖尿病をはじめ、がんや心臓血管病、慢性呼吸器疾患、精神疾患などの非感染性疾患は、すでに感染症との闘いが深刻な低中所得の国・地域において、さらなる負担を強いる要因となっており、新たな世界的対策が喫緊に必要な状況となっています。
そこで世界の大手製薬企業22社は18日、スイス・ダボスで開催されている世界経済フォーラム(ダボス会議)において、低所得国・低中所得国における非感染性疾患の予防とケアを推進するためのグローバルイニシアティブ「Access Accelerated」を立ち上げることを発表しました。
糖尿病を含む非感染性疾患を原因とする死亡は、その約80%が低所得国・低中所得国で発生しているといい、「Access Accelerated」では今後、世界銀行グループや国際対がん連合(Union for International Cancer Control・UICC)と連携し、2030年までに非感染性疾患による早期死亡件数の3分の1を減少させるという国連の持続可能な開発目標(SDG)を達成すべく、取り組みを進めていくとしています。
全ての人々に適切な治療・ケアを!
具体的には、100社以上の企業が、発展途上国における非感染性疾患ケアを発展させるための長期的投資を行っていくほか、「Access Accelerated」では、既存の取り組みにおける説明責任と透明性をさらに高め、低所得国・低中所得国などにおける非感染性疾患の予防や治療、ケア、医薬品に人々がアクセスする上での障壁をなくすことに重点を置いていくとしています。
また、マルチステイクホルダーによる対話を支援し、現地各国における疾患予防、診断、治療を改善するための取り組みも進めていく方針で、主要な疾患ごとに特化した組織とのパートナーシップ構築も進めていくこととしました。まずは合計5,000万米ドルの共同イニシアティブと加盟各社のプログラム拡大を通じ、活動を展開していきます。
さらにボストン大学からの外部専門家を招聘し、これら取り組みの進捗確認や効果測定、継続的な報告のための基本的枠組を構築し、客観的に評価していくことで、適切な推進を図っていくともされました。
こうしたグローバルイニシアティブが立ち上げられるのは、これが初めてのこととなるため、今後の取り組みに期待が集まっています。
参加加盟企業は、アステラス製薬、アルミラル、イーライリリー、エーザイ、MSD、欧州製薬団体連合会(EFPIA)、グラクソ・スミスクライン、国際製薬団体連合会(IFPMA)、サノフィ、塩野義製薬、ジョンソン・エンド・ジョンソン、大日本住友製薬、セルジーン、第一三共、武田薬品工業、中外製薬、日本製薬工業協会(JPMA)、ノバルティス、バイエル、ファイザー、ブリストル・マイヤーズ スクイブ、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、メナリーニ、メルクセローノ、ロシュ、ユーシービーです。なお事務局は、IFPMAに置かれます。
(画像は「Access Accelerated」公式サイトより)

「Access Accelerated」 プレスリリース(英文)
http://www.accessaccelerated.org/日本語 公式発表資料
http://www.accessaccelerated.org/「Access Accelerated」 公式サイト
http://www.accessaccelerated.org/