2型糖尿病患者に対する治療アプローチには、さまざまなものがあり、それぞれに特徴とメリット・デメリットが存在するほか、個々の状態によっても最適となる方法は異なってくるものです。
経口血糖降下薬との併用などよりGLP-1受容体作動薬併用で血糖変動が小さく
こうした治療法の違いによるアウトカムの差を明らかにし、最適な方法を見出していくための研究として、注目される報告が「Diabetes Care」オンライン版の12月号に掲載されました。
この研究は、Harpreet S. Bajaj氏らによる研究チームが行ったもので、現在、臨床的に広く用いられている、基礎インスリンと経口血糖降下薬の併用、基礎インスリンとGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体作動薬の併用、混合型インスリン治療、Basal-Bolus療法という4つのインスリン療法で、良好なコントロールが行えている2型糖尿病患者160人を対象に、持続血糖測定(CGM)によって測定された血糖変動を比較・検討しています。
対象となった患者は、18~80歳でBMI値は45kg/平方メートル以下、最低6カ月間の安定したインスリン療法を施されており、HbA1c値も7.5%以下で安定管理されている人となっています。この対象患者らには、盲検下でCGMを6日間にわたり実施してもらいました。
低血糖発症もGLP-1受容体作動薬併用で少なくなる結果に
主要評価項目を血糖の日内変動を示す指標である血糖値標準偏差とし、コホート研究を行ったところ、基礎インスリンにGLP-1受容体作動薬を併用した群では、基礎インスリンと経口血糖降下薬の併用群、混合型インスリン群、Basal-Bolus療法群の3群に比べ、値が有意に低く、血糖変動が小さく抑えられていることが判明したそうです。
またこの傾向は、年齢やBMI値、糖尿病の罹病期間、HbA1c値といった影響を与えうる要素に関し、調整を施した上で実施した解析においても確認されたことがあわせて報告されています。
さらに、CGMでみた日々の低血糖の発症率も、基礎インスリンにGLP-1受容体作動薬を併用した群で最も低くなることが分かりました。
研究チームでは今回の結果から、基礎インスリンとGLP-1受容体作動薬の併用治療をとった患者において、他の一般的インスリン療法よりも、日々の血糖変動を最小にすることができたほか、低血糖の発症も少なくできることが観察され、血糖コントロールの補完的機能における優位性が示されたとし、こうした特徴的なメリットは、GLP-1受容体作動薬の投与でみられる心血管アウトカムの低減と関与している可能性があり、さらなる調査・研究が必要だろうと結論づけています。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes Care : Lowest Glucose Variability and Hypoglycemia Are Observed With the Combination of a GLP-1 Receptor Agonist and Basal Insulin (VARIATION Study)
http://care.diabetesjournals.org/