自己免疫性の疾患とみられる1型糖尿病に対し、患者の多くを占める2型糖尿病では、一部に遺伝的要素も関係しているとされるものの、基本的には偏った食生活や運動不足などの生活習慣が原因で発症するとされています。
HNF1A遺伝子の希少変異型発現と糖尿病発症には関連性
しかし発症リスクには、遺伝子レベルの要素もやはり強く関連しているのかもしれません。そのことを示唆する研究結果が、先月「Diabetes」オンライン版に掲載されました。
この研究は、Laeya Abdoli Najmi氏らの研究チームによってなされたもので、HNF1A(hepatocyte nuclear factor-1alpha)遺伝子という家族性の若年発症成人型糖尿病(MODY3)と関連する遺伝子の希少変異が、2型糖尿病発症のリスクと深く関係していることを示したものとなっています。
研究チームはまず、HNF1Aの変異が十分に現れている完全表現型の母集団4,115例で同定された27のHNF1A変異体について詳細な分析を実施、一般集団と比較した将来の糖尿病発症リスクについて、検討を行いました。
転写活性が低下した変異型で強い関連性
遺伝子分析として、バイオインフォマティクスツールを用いた解析を行ったところ、11の変異体については病原性の可能性が高いと判明し、糖尿病発症リスクとの関連性は認められなかったそうです。
しかし、HNF1Aの転写活性が、正常(野生型)における活性の60%未満に低下した11の変異体からなるセットでは、一般集団に比べて2型糖尿病との強い関連性が確認され、その発症リスクは5.04倍になったと報告されています。
この結果から研究チームでは、人々の0.44%がHNF1A変異体を有していると推計され、そうした人々では、2型糖尿病を発症するリスクが実質的に高くなっていることが判明したとしています。
MODY遺伝子内の変異については、代謝異常に関与するものとしてこれまでも注目されてきましたが、さらにその機能的特徴付けを行うことによって、一般集団においても、将来の糖尿病発現に関するリスク測定が実現される可能性があり、これは従来のバイオインフォマティクスツールの限界を克服するものともなり得るとも結論づけました。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes : Functional Investigations of HNF1A Identify Rare Variants as Risk Factors for Type 2 Diabetes in the General Population
http://diabetes.diabetesjournals.org/