近年、皮下に細いセンサーを刺すなどして、血糖値を連続的に測定、推移を把握することでより正確な血糖コントロールが行いやすくなる持続血糖測定システム(CGM)が注目を集めるものとなっています。従来の測定方法では、その時点における血糖値のみしか分かりませんでしたが、このシステムモニターを用いれば、気づかぬうちの食後高血糖や睡眠中における低血糖など、日々の血糖変動の全体像をつかんで、治療に活かしていくことができるようになるのです。
指先での血糖測定なしでもインスリン投与量を決定可能に
こうしたCGMに関し、米国食品医薬品局(FDA)は現地時間の12月20日、Dexcom, Inc. (以下、Dexcom社)のモバイルCGM「G5 Mobile Continuous Glucose Monitoring System」について、認可された使用を拡大し、2歳以上の糖尿病患者における治療決定時、指先穿刺による血糖測定を行うことなく、システムによる測定結果単独で、インスリン投与量の決定などを行うことを承認すると発表しました。
これまでは、あくまでも指先での血糖測定を前提とし、その補完的な手段として用いるものとしての承認でしたが、これにより指先の穿刺回数を減らし、より負担の少ないモバイルCGMでインスリン必要量の決定、糖尿病治療の判断が行えるようになります。
Dexcom社の「G5 Mobile Continuous Glucose Monitoring System」は、小型のセンサーワイヤーを皮膚のすぐ下に挿入し、これを用いて血糖レベルを連続的に測定、モニターするものです。得られた測定結果は、リアルタイム・5分ごとにワイヤレスで、専用の受信機やスマートフォン、タブレットといったモバイルアプリが動作するデバイスへと送信されます。
あらかじめ登録した血糖値の閾値を上回ったり、下回ったりした場合には、アラームで知らせるアラート機能を有し、患者本人やその保護者らに警告を発することができるものともなっています。
糖尿病患児も含む臨床試験で安全性・有用性を確認
このDexcom社のシステムの場合、少なくとも1日2回(12時間に1度)は、指から採取した血液サンプルを用いて、システムの適正化調整を図る必要がありますが、従来の指先での血糖測定検査による確認なしで、直接治療決定が行えるというメリットは大きく、より快適かつ正確に、糖尿病の疾患管理が継続できるようになると見込まれています。
“点”で測定する従来方法に比べ、血糖変動の傾向をつながった“線”として詳細に把握できるようになることで、医療者もより個々にあった治療指示や管理アドバイスが行えるようになるでしょう。
今回の承認拡大は、2歳以上の糖尿病患児から成人までを含む130人を対象とした2つの臨床研究で得られたデータをもとになされています。この臨床研究では、7日間にわたり、システムで計測し読み取られた値と測定血糖値を比較し、その精度が確認されたほか、安全性に対する評価が行われ、試験実施期間中における深刻な有害事象は報告されなかったとされています。
なお承認・利用にあたり、アセトアミノフェンを含有する医薬品を服用している間は、血糖測定値があやまって上昇する可能性があることが注意点として示されています。
(画像はDexcom社 G5 Mobile CGM System 公式サイトより)

FDA プレスリリース
http://www.fda.gov/Dexcom, Inc. 「G5 Mobile Continuous Glucose Monitoring System」公式サイト
https://www.dexcom.com/g5-mobile-cgm