インスリンを用いている糖尿病患者にとって、注入したインスリン量や注入を行った時間、測定した血糖値データなどをきちんと記録し、管理していくことは非常に重要なことですが、毎日のことであるだけに、手間や不便さを感じている人も少なくないことでしょう。しかし記録間違いや記録忘れは、血糖コントロール不良を招くもとであり、場合によっては致命的な事態をももたらしかねません。
はめるだけで自動記録可能なスマートペンに!
そうした糖尿病患者の悩みを解消する、画期的なデバイスがイスラエルのベンチャー企業によって開発され、注目を集めるところとなっています。このデバイスは、Insulog社の「Insulog」というもので、使い捨て型のインスリンペンに装着すると、投与記録などが自動でデータとして保存されるようになります。
デバイス本体に搭載されたマルチセンサで、注入されるインスリンの量を正確に自動検出、毎回適切な用量の投与が行えるように、患者をサポートします。インスリンの使用状況は量と時間ですべて記録され、最後に投与されたときの情報をひとめでチェックできるほか、Bluetooth(BLE)経由でスマートフォンアプリへと取得データをアップロードする仕組みともなっているため、自動同期されたデータを、手持ちのスマートフォンからいつでも確認することができます。
こうして蓄積され、デジタル化されたデータは、患者本人が日々の血糖コントロール改善に活かせることはもちろん、かかりつけ医を中心とした医療チームともスムーズに共有できるため、治療にも大いに役立ち、適切な個別医療を実現、長期にわたる安定した疾病管理が可能になることでしょう。
クラウドファンディングで実用化を目指す
データはチャートやグラフ化した状態でも表示させることが可能で、推移を分かりやすくチェックできます。デバイスは、マイクロUSB経由の充電を行って用いる仕組みとなっており、1回の充電にかかる時間はわずか2時間足らず、これで数日間は問題なく利用できるといい、バッテリーの持ちも良好です。
本体サイズは長さ約6センチ、重さ15グラムとごく軽量でコンパクト、素材はABS樹脂となっています。Novonordisk社の「Flexpen」や、Eli Lilly社の「Kwikpen」、Sanofi社の「Solostar」など、すべての主要使い捨て型インスリンペンに対応しており、持ち手部分にはめるだけで使用することが可能です。
専用のスマートフォン向けアプリは、iOS用・Android用ともに用意されており、血糖値のデータなどとともに、直感的な操作で管理が可能、いずれも無償で入手できるそうです。
この「Insulog」は、現在プロトタイプを制作し、クラウドファンディングの「INDIEGOGO」で出資を募って実用化を目指している段階で、設定目標金額は4万ドルとなっています。Insulog社のCEOであるMenash Michael氏自身も長年の糖尿病患者で、あやまって倍量のインスリンを投与し、危機的事態を招いた経験や、日々の記録の煩わしさから「Insulog」を発案、起業して活動を進めているそうです。
糖尿病と賢く付き合うため、日々のストレスや不安を軽減しながら治療効果をアップさせるため、こうしたデバイスが普及していくことが望まれます。
(画像はInsulog社ホームページより)

Insulog社 ホームページ
http://insulog.life/INDIEGOGO 「Insulog」紹介ページ
https://www.indiegogo.com/