糖尿病は根治が難しい疾病です。基本的に一度発症してしまえば、患者は生涯治療を続ける必要があると考えなければなりません。しかしこのたび、糖尿病の根治につながることが期待される研究成果が発表されました。
インスリン分泌細胞の再生促進に成功
東北大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科学分野の山田哲也准教授、突田壮平助教、片桐秀樹教授らのグループが、2016年12月15日に発表した研究成果が、糖尿病根治につながる治療法の開発に貢献するのではないかと注目を集めています。
今回、同研究グループは、機能性核酸であるマイクロRNA(miRNA)の静脈投与によって、糖尿病マウスの高血糖が改善されたと発表しました。これは、miRNAの静脈投与によるインスリン分泌細胞(膵β細胞)の再生に、初めて成功したことを示しています。
骨髄細胞から分泌される再生促進因子を同定
糖尿病は、すい臓から分泌されるホルモンの一種であるインスリンの分泌量が低下することで発症する疾病です。すい臓のインスリン分泌細胞(膵β細胞)は、一度その機能がそこなわれてしまうと、自己再生が難しいことで知られています。このことが、糖尿病の根治を難しくしているのです。
ただ、この膵β細胞の再生は、骨髄移植を行うことによって促進されることが、すでに報告されていました。同研究グループではそのことに着目し、骨髄細胞から分泌される何らかの因子が膵β細胞の再生を促進しているものとして、その因子の同定に向け研究を行ってきたのです。
糖尿病根治につながる治療法確立に期待
今後、同研究グループの研究成果をもとに、miRNAによってインスリン分泌が改善されるという治療法が確立できれば、糖尿病の根治も夢ではなくなってきます。
実際に治療法が確立するまでには、これからまだ時間がかかるものと思われます。それでも、特にインスリン分泌細胞の突然の破壊によって発症する1型糖尿病患者にとっては、できる限り早期の治療法確立が期待されます。
(画像はプレスリリースより)

東北大学大学院医学系研究科プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/