2型糖尿病患者の場合、運動療法では中強度以上の継続した運動が推奨されるケースが多く、かなり積極的かつ時間をかけた運動を実行しなければなりません。しかし、これを日々の生活において持続することは難しく、なかなかその通りには実践できていない、目標を達成するまでにはいたっていないという人も多いことでしょう。
じっとしている時間を減らすところから始めよう!
もちろん、なんとか治療計画に従って運動も実践できるよう努めることが基本ですが、完璧に満たせないまでも、座り続けている時間を減らすこと、少しでも体を動かすように心がけることで、病態に良い効果がもたらされるとする最新の研究結果が報告されました。
この研究は、Bernard M. F. M. Duvivier氏が主導する研究チームによるもので、その成果をまとめた論文が「Diabetologia」オンライン版に12月1日付で掲載されています。
今回研究チームは、2型糖尿病患者が、ときどき立ち上がって軽いウォーキングをし、座り続ける時間を減らすことが、血糖値やインスリン抵抗性にどの程度影響を与えるのか、こうした行動が一般的運動療法の代わりになり得るか、検討を行っています。
どんな運動でも血糖値は下がる!寒さに負けず少しでも体を動かして!
研究チームではまず、13人の男性・6人の女性からなるインスリンを用いていない2型糖尿病患者19人(平均年齢63歳)を対象に、3つの運動プログラムをそれぞれ4日間実行してもらいました。
1つ目は1日14時間を座って過ごしながら、約1時間のウォーキング(4,415歩)を行い、立った状態で1時間過ごすというプログラムで、2つ目は約1時間強のウォーキング(4,823歩)と1日1.1時間、座っている時間の代わりにサイクリング運動を実行してもらう運動プログラム、3つ目は1日約2時間の軽いウォーキング(17,502歩)を行い、座っている間は30分ごとに立ち上がって、合計約3時間を立った状態で過ごすようにする座位時間を減らしたプログラムとなっています。
なお、運動プログラムと座位時間を減らしたプログラムでは、1日のエネルギー消費量は同じになるよう調整し、食事はいずれの場合も標準的なものを摂取させたといい、この状態で血糖値やインスリン抵抗性を調べて、その影響を分析・検討したそうです。
その結果、1つ目の座って過ごす時間が長いプログラムの実施時に比べ、運動プログラムや座位時間を減らすプログラムを行ったとき、患者の24時間血糖値曲線が下がり、血糖コントロールが有意に改善することが確認されました。
一方インスリン抵抗性の指標となるHOMA2-IRでみると、運動プログラムが座って過ごすものと比べても、有意な改善を認められなかったのに対し、座位時間を減らした3番目のプログラムでは、有意な低減がみられ、運動プログラムよりも、もちろん座っている時間の長いプログラムよりも、最もインスリン抵抗性を有意に減らし、改善するものとなることが判明したそうです。
小規模かつ限定的な研究による結果ではありますが、どのような運動でも行えば血糖値を下げることができ、血糖コントロールを良好に導きやすくなること、そして座り続けるのではなく、こまめに立ち上がって体を動かしたり、軽いウォーキングを続けたりすることで、インスリン抵抗性の改善も見込めることを示した点で、注目すべきものといえるでしょう。
気温も低下したこれからの年末年始シーズンは、とくに年間のなかでも動くのが億劫になりがち、ついついあまり動かずに過ごしてしまいがちです。食事バランスにも気をつけながら、まずは長時間動かないままでいる習慣を改め、気づいたら少しでも体を動かすように心がけてみてください。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetologia : Breaking sitting with light activities vs structured exercise: a randomised crossover study demonstrating benefits for glycaemic control and insulin sensitivity in type 2 diabetes
http://link.springer.com/article/10.1007/s00125-016-4161-7