糖尿病では、その患者の多くは2型糖尿病で、生活・運動習慣に由来するところの大きい疾患となっていますが、一部はそれらとは異なる1型糖尿病で、主に自己免疫性の疾患として発症、インスリン産生機構が破壊され、まったく分泌されなくなってしまうことが知られています。
スウェーデンの大規模研究でリスクの高さが明らかに
この1型糖尿病患者に関し、気になる研究報告が「Journal of Internal Medicine」11月号に掲載されました。C. Heden Stahl氏らの研究チームによる、スウェーデンでの大規模研究で、1型糖尿病患者では、脳梗塞や出血性脳卒中を発症するリスクが大いに高まっていることが明らかになったのだそうです。
研究チームは、1998年1月1日~2011年12月31日にSweden National Diabetes Registerに登録された、18歳以上の1型糖尿病患者33,453人と、性別や年齢など5つの影響を与えうる属性要素を患者群と調整してあわせた一般集団からのランダム抽出による対照群159,924人を対象に、前向きコホート研究を実施、血糖コントロール状況と関連する脳卒中の発現リスクなどを中心に、検討を行っています。
HbA1c値の上昇に伴ってリスクもさらに増加
対象となった33,453人の1型糖尿病患者は、平均年齢35.5歳で、追跡期間は平均値で7.9年、糖尿病罹病期間は平均20.2年でした。このうち、全体の2.3%にあたる762人が、追跡期間中に脳卒中との診断を受けています。一方、対照群159,924人では、脳卒中を発現したのは、全体の0.7%にあたる1,122人でした。
1型糖尿病患者における脳梗塞と出血性脳卒中の多変量総合調整後におけるハザード比は、それぞれ3.29、2.49で、いずれも有意に高いリスクであることが分かる値となっています。
また、この脳梗塞および出血性脳卒中の発現リスクは、患者のHbA1c値が上がるにつれて、さらに漸増していることが確認されましたが、とくに脳梗塞においてはHbA1c値の目標目安とされる6.9%以下でも有意に高くなっており、そのハザード比は1.89と報告されています。
HbA1c値で9.7%以上となっている患者に絞り込むと、脳梗塞および出血性脳卒中の発現リスクは、対照群に比べてさらに顕著に高く、調整後のハザード比でそれぞれ7.94、8.17にまで上昇していました。
この結果を受け研究チームでは、1型糖尿病患者における脳梗塞や出血性脳卒中の発症リスクは高く、HbA1c値の上昇に伴ってさらにそのリスクが増大することから、血糖コントロール不良な場合はきわめて危険であると結論づけています。
(画像は写真素材 足成より)

Journal of Internal Medicine : Glycaemic control and excess risk of ischaemic and haemorrhagic stroke in patients with type 1 diabetes: a cohort study of 33,453 patients
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/joim.12572/full