糖尿病ニュース
2026年07月23日(木)
 糖尿病ニュース

炭水化物を控えるとインスリン感受性が改善する?

話題・時事ネタ
地域情報
調査・アンケート
商品情報
セミナー・イベント
新着ニュース30件






























炭水化物を控えるとインスリン感受性が改善する?

このエントリーをはてなブックマークに追加
炭水化物を制限するダイエットは頻繁に話題となりますが、糖尿病においては良い効果をもたらすのでしょうか。高炭水化物食と炭水化物制限食でインスリン抵抗性やインスリン値に変化は見られるのか、運動の実施との関連性はどのようであるかなどについて検討した、ひとつの研究結果が公開され、注目を集めています。

適度に制限すると代謝に良好な変化兆候か
食後高インスリン血症や高血糖、インスリン抵抗性は、2型糖尿病や心血管疾患患者の死亡リスクを高めてしまいます。食後の高血糖状態は、とくに炭水化物の占める割合が高い夕食をとった後などに、健常者であっても生じているものです。

そこで、Katarina T. Borer氏らの研究チームでは、食事に占める炭水化物の割合と、食後のインスリン抵抗性、インスリン値における関係性と、運動の実施でもたらされるその変化に関し、実験を行いました。その結果をまとめた論文は、「PLOS ONE」に10月31日付で掲載されています。

研究チームは、代謝の異常や体重異常のない健康な閉経後の女性50~65歳の32人を、8人ごとの4群に割り付けて比較検討しました。まず炭水化物を30%に制限した食事を摂取する群と、炭水化物が60%を占める高炭水化物食を摂取する群に分け、さらに食事前に中程度の強度といえる運動を行うか否かで分けることにより、4つの群を形成させています。

被験者らには、試験を開始する前夜に提供する決められた食事を摂取してもらい、実験当日には、朝と夕方の2回食事をとってもらっています。食事の摂取カロリーは、いずれも約800キロカロリーで、炭水化物制限食は、炭水化物30%、たんぱく質25%、脂質45%の比率とし、高炭水化物食では、炭水化物を60%、たんぱく質15%、脂質25%の比率としたそうです。

また運動については、2時間行ってもらい、食事を開始する1時間前にはその運動を終えてもらうように指示しました。

炭水化物
糖尿病患者でも同様かは不明
研究チームは、こうした条件で各群被験者について、食後4時間と3時間の運動中に血糖値、インスリン値、グルカゴン、GIP、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、遊離脂肪酸、D-3ヒドロキシ酪酸濃度を測定、曲線下の領域を混合モデルANOVAで分析し、また恒常性モデル評価(HOMA-IR)によってインスリン抵抗性の推算を行っています。

すると、炭水化物制限食を摂取した群で、夜間インスリン値のカーブが運動無しで39%、運動後で31%低減され、GIPのカーブは運動無しで48%、運動後で45%改善、夜間インスリン抵抗性は運動無しで37%、運動後で24%改善するという結果が確認されました。

食前に行う運動は、炭水化物制限食を摂取した群のインスリン値、GIP、インスリン抵抗性の低下効果には、大きな変化をもたらさない一方で、夜間の高血糖については、かえって悪化させることが判明したという意外な結果も報告されています。

この結果について、研究チームでは、食後のインスリン値やGIP変化のタイミング・大きさは、炭水化物制限食を摂取した場合の腸の消化吸収対応の遅延に対する依存性の存在を示唆しているとしたほか、食事前の運動は、食事前における遊離脂肪酸の上昇でインスリンシグナルが妨げられ、組織のほとんどがインスリン抵抗性となること、それによって筋肉などが糖を利用できるように働く仕組みがあるために、夜間高血糖を上げることにつながった可能性が高いとまとめています。

そしてこうした結果から、炭水化物の制限にはインスリン抵抗性の改善などに一定の効果があること、また運動は食前ではなく、食後が望ましいともしました。

今回の研究は、ごく限られた期間の限られた対象によるものであり、健常者でも高血糖状態になることがあるからといって、必ずしも2型糖尿病や糖尿病前症の患者においてや、その発症を予防したいという人において、同じ影響が認められるとは限らない可能性もあります。

炭水化物が過剰で、急激な血糖上昇を招きやすい食生活を繰り返すことが悪影響を及ぼすことは間違いありませんが、基本的には栄養バランスの良い食生活と全体摂取量に注意し、こまめに体を動かすよう心がけることが推奨されるでしょう。

(画像は写真素材 足成より)


外部リンク

PLOS ONE : Third Exposure to a Reduced Carbohydrate Meal Lowers Evening Postprandial Insulin and GIP Responses and HOMA-IR Estimate of Insulin Resistance
http://journals.plos.org/

Amazon.co.jp : 炭水化物 に関連する商品
  • 【承認不要】志木市のむかしから今にいたるまでのことを知るなら郷土資料館(8月31日)
  • 細胞の抗ストレス機能を利用した2型糖尿病治療薬の可能性を示唆(12月25日)
  • 甘いのに低GI しかも完全オーガニックな食品が発売(12月24日)
  • 患者自身の脂肪細胞を使う遺伝子治療 糖尿病への応用に期待(12月23日)
  • 抗ストレス化合物に肥満や糖尿病軽減効果を確認 ドイツ(12月18日)
  • Yahoo!ブックマーク  Googleブックマーク  はてなブックマーク  POOKMARKに登録  livedoorClip  del.icio.us  newsing  FC2  Technorati  ニフティクリップ  iza  Choix  Flog  Buzzurl  Twitter  GoogleBuzz
    -->