シカゴ大学医療センターの研究者チームは、皮膚移植を行うことで広範な遺伝子ベースの治療を可能にする新しいアプローチを実証したと8月3日発表しました。
皮膚移植という新しい遺伝子治療アプローチ
学術誌Cell Stem Cellの2017年8月3日号に掲載されたこの研究成果は、一般的なヒトの病気である2型糖尿病と肥満を治療するための新しい遺伝子治療の可能性を実証しました。
シカゴ大学のXiaoyang Wu博士とBen May助教授は、この新しいアプローチ方法について、安全で耐久性のある遺伝子治療につながる可能性があると話します。
また糖尿病に焦点を当てたことについて、特定のタンパク質を戦略的に送ることにより治療できる一般的な非皮膚疾患だからだとしています。
糖尿病を始め、多くの病気への対応が可能
実験では、膵臓を刺激してインスリンを分泌するホルモンであるグルカゴン様ペプチド1(GLP1)の遺伝子を挿入した皮膚をマウスに移植し、観察を行いました。皮膚移植による拒絶反応は有意には見られなかったといいます。
実験の結果、処置を行わないマウスと皮膚移植による遺伝子改変マウスに高脂肪食を与えたところ、両群とも急速に体重が増加したものの、遺伝子改変マウスは処置を行わないマウスに比べて体重増加が少なく、グルコースレベルを低下させ、インスリン抵抗性を下げました。
この結果についてWu博士は、多くの病気の治療に長期的かつ安全な選択肢を提供できる可能性が高くなったと話します。
容易に移植することができる皮膚移植は経過観察もしやすく、必要ならば簡単に除去することもできます。さらに移植用の皮膚の培養も比較的簡単に行えるといいます。研究者らはこの成果は実用的であり、糖尿病や肥満だけでなく多くの病気に対応できるのではないかと期待を寄せています。
(画像はプレスリリースより)

シカゴ大学医療センターのプレスリリース(Science Daily)
https://www.sciencedaily.com/releases/シカゴ大学医療センター
http://www.uchospitals.edu/index.shtml