2型糖尿病を発症すると、三大合併症のひとつとして知られる糖尿病性腎症のリスクが高まることから、その早期診断のためアルブミン尿の発現に注意しておくことが必要となります。
参考にしたい家庭血圧、頼りになるのは手帳?血圧計?
こうしたアルブミン尿の発現、腎症の発症は、高血糖状態が繰り返されることによって引き起こされる細小血管障害が原因ですが、この血管障害には2型糖尿病患者の場合、外来血圧よりも家庭で測定する家庭血圧が強く関連することがこれまでの研究で明らかとなっています。
そこでこの家庭血圧を参照する上で、患者自身が測定後に記録した血圧手帳による報告データと、血圧計のメモリー機能が保存したデータのいずれが有用であるか、違いが生じてはいないか、比較・検討する研究が行われました。研究を行ったのは、Shinobu Matsumoto氏、Michiaki Fukui氏らのグループで、その成果をまとめた論文が「American Journal of Hypertension」のオンライン版に7月31日付で掲載されています。
研究は、既に実施された横断研究データを用い、2型糖尿病患者自身が血圧手帳に記録した血圧の平均値と変動の報告データと、測定した血圧計が記録保存した値とが、同じようにアルブミン尿の発現と関連するかどうか調べました。
対象となったのは、外来通院中の2型糖尿病患者276人で、14日間にわたり家庭で血圧を測定し、その結果を血圧手帳に記録してもらいました。なお被験者となった患者らには、用いた血圧計にメモリー機能が搭載されていることを知らせていません。
手帳に記録するときには値が選ばれがち?
分析の結果、血圧計の機能で保存されたデータに比べ、患者自身が血圧手帳に記録した家庭血圧は、顕著に低い値であり、変動も少ないものであることが判明しました。
またその結果、血圧手帳に記録された収縮期血圧の平均値は、血圧計に保存されたデータと同じく、log尿中アルブミン排泄量(UAE)と有意に関連することが確認されましたが、変動係数となると血圧計のデータがUAEと高い関連性をもっていたのに対し、血圧手帳から得られた変動係数データは、UAEとの有意な関連性を失っていたそうです。
これらの結果から研究グループでは、2型糖尿病患者に家庭で血圧の測定と記録を行わせると、とくに高い値や低い値を選択して削除する傾向があるため、平均値はある程度正確さを保つものの、変動性については結果として過小評価されるかたちになり、不正確なものとなりやすいと指摘、糖尿病性腎症との関係を正確に評価し、チェックしていく際には、血圧計で保存された測定データを用いることが推奨されるとしました。
(画像は写真素材 足成より)

American Journal of Hypertension : Home Blood Pressure Variability From the Stored Memory Is Correlated With Albuminuria, but From the Logbook Is not
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