岡山大学、松本歯科大学、東北大学、久留米大学、東京農業大学、九州大学、味の素株式会社の共同研究グループは2017年7月18日、クロドロン酸がどのようなメカニズムで慢性疼痛に作用するのかを解明したと発表しました。
多くの人が慢性疼痛に悩んでいる
世界人口の20~25%の人は慢性疼痛に悩んでいます。慢性疼痛は軽度のものから重度のものまで様々ですが、糖尿病やがん、HIVなどが原因で神経障がいによる神経因性疼痛やリウマチ、痛風、がんなどが原因で末梢に炎症が起こることによる炎症性疼痛は耐え難い慢性疼痛だとされています。
骨粗鬆症治療薬として使用されるクロドロン酸などのビスホスホネート製剤は骨疾患を発症した患者において鎮痛効果があることがこれまでの研究でわかっています。
現在、第一世代から第三世代までのビスホスホネート製剤が存在します。第一世代は骨粗鬆症治療効果が弱いものの副作用も弱く、第二、三世代は骨粗鬆症治療効果も強いのですが副作用も強く表れる傾向にあります。
これまでに東北大学が行った研究でも第一世代のビスホスホネート製に鎮痛効果があることまではわかっていましたが、どのようなメカニズムで疼痛に作用しているのかは明らかになっていませんでした。
クロドロン酸が疼痛を改善
今回の研究で同研究グループは神経因性疼痛モデルマウスと炎症性疼痛モデルマウスを用いた実験で分泌小胞内にATPを運ぶ小胞型ヌクレオチドトランスポーターを阻害すると神経因性疼痛や炎症性疼痛を改善できることを発見。さらに、この作用機序で慢性炎症までも改善できることまで発見しました。
小胞型ヌクレオチドトランスポーター遺伝子欠損マウスはインスリン感受性や高血糖が改善されていることもこれまでの研究でわかっています。そのため、クロドロン酸は糖尿病などにも効果があるのではないかと新たな期待が寄せられています。
(画像は岡山大学公式ホームページより)

岡山大学 プレスリリース
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