C型肝炎ウイルスの感染によるC型肝炎は、糖尿病の発現リスクを上昇させる要素のひとつとして知られており、C型肝炎キャリアの場合、糖尿病を発症すると、血糖コントロール不良となりやすいことがこれまでの研究で報告されています。
血糖コントロール不良になりやすいC型肝炎併発患者、DAA治療で改善
こうしたC型肝炎と糖尿病の関連について、新たな研究報告が「Diabetes Care」オンライン版に6月28日付で掲載されました。それによると、近年注目を集める直接作用型抗ウイルス薬(DAAs・direct-acting-antivirals)と呼ばれるタイプの薬剤でC型肝炎治療を行った場合、血糖コントロールの改善など糖尿病の病態にも良い効果がもたらされたそうです。
研究を行ったのは、Justine Hum氏らのグループで、彼らはヘルスケアシステムのデータから、インターフェロンフリー、リバビリンフリーの直接作用型抗ウイルス薬によるC型肝炎治療を受けた糖尿病患者、2,435人を抽出して調査・分析を行いました。
そしてウイルス学的な持続的著効(SVR)を達成した患者と、達成できなかった患者で、それぞれHbA1c値にどのような変化がみられたか、また抗ウイルス治療を実施する前後1年間の糖尿病関連治療薬はどの程度必要となり、用いられていたかを比較、評価しています。
HbA1c値が有意に改善、インスリン導入も減少
分析の結果、ベースライン時に高いHbA1c値となっていた患者のうち、DAAによる抗ウイルス治療を行ったことに伴うHbA1c値の低下は、ウイルス学的な持続的著効を達成した患者の場合、98%で確認されたのに対し、達成できなかった治療失敗の患者では、65%にとどまっていました。
また糖尿病に対する治療薬の使用についてみた結果でも、治療によりSVRを達成した患者で、治療失敗となった患者よりも利用を減じることができており、とくにインスリンの使用に関して比較すると、SVR達成患者では41.3%から38%へと有意に減少していた一方、治療失敗となった患者では49.8%から51%に増加してしまっているなど、大きな差が現れたそうです。
これらの結果から研究グループでは、C型肝炎キャリアの糖尿病患者の場合、DAAを用いた治療によるウイルスの根絶と、血糖コントロールの改善との間に密接な関連があることが判明したとして、該当する糖尿病患者には、SVR達成を目指すDAAでの抗ウイルス治療を速やかに適用することが推奨されるとしています。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes Care : Improvement in Glycemic Control of Type 2 Diabetes After Successful Treatment of Hepatitis C Virus
http://care.diabetesjournals.org/