これまでの研究で、セリアック病は1型糖尿病との顕著な関連性をもつ疾患であることが明らかとなっていますが、このほどさらに詳細にわたって、セリアック病と1型糖尿病の関係を臨床的な特徴や、国による違いなどから検証した研究結果が発表されました。
世界各地52,721人の若年1型糖尿病患者を調査
研究を行ったのはMaria E. Craig氏らのグループで、成果をまとめた論文は「Diabetes Care」オンライン版に5月25日付で掲載されています。
研究グループは、ドイツとオーストリアにおける糖尿病発症予見フォローアップレジストリ、米国の1型糖尿病クリニックネットワーク、オーストラリアの糖尿病データネットワークからデータを取得、2013年4月~2014年3月に外来診療を受けた、若年層の1型糖尿病患者52,721人分の分析を行いました。
多変量線形、およびロジスティック回帰モデルを作成し、性別や年齢、糖尿病の罹病期間などを調整、1型糖尿病のみの発症者と1型糖尿病とセリアック病を併発する患者とで、HbA1c値や身長スコア、過体重・肥満傾向などとの関連性を検討しています。
やや低身長、男児より女児に多い傾向
分析の結果、対象患者のうち全体の3.5%にあたる1,835人でセリアック病がみられました。平均年齢の中央値は8.1歳で、四分位範囲は5.3~11.2歳です。セリアック病の診断を受けた時点での糖尿病罹病期間は、1年未満が37%、1年以上2年未満が18%、3年~5年が23%、5年超が17%となっていました。
セリアック病の併発率は、米国のデータにおける1.9%から、オーストラリアのデータにおける7.7%まで差があり、全体を性別でみた場合では女児が4.3%、男児が2.7%と、やや女児に多い傾向が現れたそうです。
糖尿病の確定診断を受けた年齢を比較すると、セリアック病を併発する患者の方が、1型糖尿病のみの患者に比べて低年齢で、平均5.4歳と7.0歳という違いがありました。人種では、非白人が15%、白人が18%とやや非白人の方が少なくなっています。
身長スコアは、セリアック病を併発する患者が0.36であるのに対し、1型糖尿病のみの患者は0.48で、過体重および肥満傾向はセリアック病併発患者が34%、1型糖尿病のみの患者が37%となり、いずれもセリアック病併発患者の方が低い結果となりました。しかしHbA1c値の平均値では、中央値8.3%と8.4%で有意な差はみられていません。
これらの結果から研究グループでは、セリアック病は小児の1型糖尿病における共通した合併症といえ、今回の調査で現れた有病率の差は、スクリーニングや診断の実施状況、セリアック病発症リスクの変動を反映している可能性があり、目立った特異性は認められなかったとしています。
また血糖コントロールの状況に、セリアック病を併発しているかどうかでの違いはみられなかったものの、低身長を示すスコアの差などは、セリアック病併発の小児1型糖尿病患者における成長と栄養状態をモニタリングしたものと深く結びついているとみられるとしました。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes Care : Prevalence of Celiac Disease in 52,721 Youth With Type 1 Diabetes : International Comparison Across Three Continents
http://care.diabetesjournals.org/