2型糖尿病の予防と病態進行抑制には、生活全般にわたる見直しと改善が必要であり、とくに食事療法としても実施される食生活の改善はきわめて重要なもので、将来にも大きな影響を与えると考えられています。
健康的なスタイルへと見直した食生活を続けると寿命も延びる!
とはいえ日々の食事に気を配ることは、まさに“言うは易く行うは難し”で、苦労されている方も少なくないでしょう。しかし、その努力は糖尿病のみならず、早期死亡リスクを回避し長寿につながるものとして報われる可能性が高いことが、最新の研究で明らかとなりました。
この研究は、Mercedes Sotos-Prieto氏らのグループによってなされたもので、食生活の見直しによる影響が、死亡率や寿命とどのように関連しているか、あらためて科学的に評価・検証すべく、大規模な調査分析を行ったものとなっています。その結果をまとめた論文は「The New England Journal of Medicine」に7月13日付で掲載されました。
研究グループは、看護師健康調査における47,994人分の女性データと、1998~2010年の医療関係者フォローアップ研究における25,745人分の男性データを収集し、1986~1998年の12年間における食事の質の経時的変化が、死亡率の調整済みハザード比にどのような影響をもたらしているか、長期にわたる観察研究として分析を行っています。
食事内容については、代替健康食指数スコア(Alternate Healthy Eating Index-2010 score)、代替地中海食スコア(Alternative Mediterranean Diet score)、高血圧を改善・抑制するための食事アプローチであるDASH食のスコアを用いて評価したそうです。
年齢を重ねていても大丈夫!改善を続ければ死亡率低下
分析の結果、12年の調査研究実施期間を通じ、全死因に対する死亡率のプールされたハザード比は、0~3%の改善しかみられなかったほぼ変わらぬ食事の質で生活した人々に比べ、13~33%と最も大きな食事改善を記録できた人々の場合、代替健康食指数スコアでの変化によるもので0.91、代替地中海食スコアによるもので0.84、DASH食スコアによるもので0.89と、いずれも有意に低くなっていました。食生活を改善させることで、9~16%も死亡率を低下できたことになります。
また食事の質改善を示すダイエットスコアの20パーセンタイルアップさせると、全死因による死亡リスクを8~17%低減でき、また心血管系疾患による死亡リスクも7~15%低減させられることが判明しました。
より質の高い健康的な食事を12年間継続できた人では、そうでない人に比べ、何らかの死因による死亡リスクが、代替健康食指数スコアで14%、代替地中海食スコアで11%、DASH食スコアで9%と、いずれも有意に低くなっていたことも確認されています。
食生活の改善で健康増進が促され、寿命の延伸につながることは、驚くべき結果ではありませんが、ある程度年齢を重ねていても、改善努力を継続すれば死亡リスクを低減できる可能性が高いと、大規模な研究を通じて立証されたことは注目に値するでしょう。
糖尿病の発症に伴い、顕著に上昇するとされる心血管系疾患での死亡リスクも有意に低減できており、あらためて健康保健指導にそった健康な食生活を心がけるなど、積極的に改善を試み、それを継続することが大切だといえる結果になっています。
(画像は写真素材 足成より)

The New England Journal of Medicine : Association of Changes in Diet Quality with Total and Cause-Specific Mortality
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1613502