スウェーデンにあるルンド大学の研究者らは、動物実験で用いるマウスでは有効な糖尿病薬が、ヒトでは同様に作用しない理由についての研究成果を7月3日発表しました。
マウスでは効果があるのにヒトには同様の効果が得られない
ルンド大学と英国キングズ・カレッジの研究者チームが発表したのは、新しい糖尿病薬の開発においてしばしば実験動物では有効なのにヒトには同様に作用しないその原因について。
研究者らはヒトの疾患を研究するために、100年以上使用されている2種類の実験用マウスにおけるGたんぱく質共役受容体のカテゴリーをマッピング。これらの受容体の存在をヒトの細胞に存在する役割と比較しました。
受容体の違いが効果の違い
研究の結果、人間ではインスリンを生産するベータ細胞のGたんぱく質共役受容体のいくつかは、マウスにのみまたは人間にのみ見いだされました。また、2種類のマウスの中でも違いが見られるとルンド大学のAlbert Salehi准教授はいいます。
キングス・カレッジのStefan Amistenは、インスリンを生産するために特定の受容体を刺激したり阻害したりする新しい薬剤は、マウスには有効でもヒトには無益である、またはヒトには有害な作用を引き起こす可能性さえあると話します。
共通の受容体を研究することでマウス実験通りの成果をヒトにも
実験に用いる人間のインスリン産生ベータ細胞は、死亡したドナーからの寄贈提供に限られており、これがマウスを新薬の開発に使う理由であると研究者は説明します。
ヒトではしばしば上手く行かない新しい薬剤とわかっていながら、マウスで行われた研究に基づいて開発しなければならないジレンマを研究者と製薬業界は常に感じているとも話します。
Albert Salehi准教授はマウスと人間の両方に、以前は知られていなかった受容体が存在するという研究成果を導きだしました。
この受容体をさらに深く研究することで、マウスの実験を基にヒトにも働く可能性の高い新薬への扉が開かれるのではないかと期待を寄せています。
(画像はプレスリリースより)

ルンド大学のプレスリリース
http://www.lunduniversity.lu.se/article/ルンド大学
http://www.lunduniversity.lu.se/