歯周病は、糖尿病と非常に密接な関係を持つ疾病です。糖尿病の合併症であると同時に、歯周病自体が糖尿病リスクを高めるという双方向の関係にあるからです。さらに、歯を健康に保つことが、全身の健康にも大きな影響があることがわかってきました。
歯がたくさん残っている人は健康で長生き
東北大学大学院歯学研究科は6月28日、同研究科の松山祐輔歯科医師が、高齢期に保持できている歯の本数が多い人は健康で長生きであることを明らかにしたと発表しました。
歯が多いと、死亡率が低いことや要介護になりにくいことは、すでに研究で示されていました。今回は、全国24自治体の要介護認定を受けていない高齢者を追跡した大規模データを分析することにより、自分の歯が多く保たれている人は、全く歯がない人と比べて健康寿命が長いことがわかりました。
具体的には、自分の歯が多く保たれている人は、寿命そのものが長いだけでなく、要介護状態になっても、その日数が少ないのです。つまり介護を受けずに、文字通り健康に暮らしている期間が長いということが判明したのです。
毎日の口腔ケアが糖尿病予防になり要介護予防にもなる
歯を失う原因は、虫歯と歯周病がほとんどです。歯周病を治療し、自分の歯を残すということは、糖尿病の予防になるだけでなく、健康寿命そのものを伸ばすために大切なことだということが、今回の研究結果からわかりました。
糖尿病は非常に合併症の多い病気です。合併症は全身におよび、神経障害によって足を切断しなければならないような深刻な状態になることも、決して珍しくありません。また、網膜症によって目が不自由になったり、腎症によって人工透析が必要になったりします。
そのため、糖尿病を予防することは、要介護状態になることの予防でもあります。生活の質を落とさず、できる限り自立して暮らしていくための第一歩は、ささいなことのように思えても、毎日しっかり口腔ケアを行うことなのではないでしょうか。
(画像はプレスリリースより)

東北大学大学院歯学研究科プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/