2型糖尿病では、3大合併症として糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症があり、このうちの糖尿病性腎症が進行すると、蛋白尿からネフローゼ症候群などを経て慢性腎不全にいたることが知られており、腎不全状態にいたると尿毒症症状が発現して命の危険をもたらすものとなるため、透析治療を行わなくてはならなくなります。
グリコアルブミン値と血清アルブミン値で補正した値はどちらが有効?
こうした透析治療が必要となった2型糖尿病患者に関し、より適した血糖コントロールの状況をみる指標について、新たな知見をもたらす研究結果が公開されました。
Takahiro Yajima氏らの研究グループが発表し、「Diabetes Research and Clinical Practice」8月号に掲載された論文によると、血清アルブミン値によって補正を行ったグリコアルブミン(GA)値が、透析治療を始めたばかりの患者では、より正確な血糖コントロール状況の指標として有用になることが判明したそうです。
すでにこれまでの研究で、血清アルブミン補正GA値は、透析治療を受けている2型糖尿病患者の場合、通常のGA値よりも予後の死亡率をより的確に反映する予測因子であることが報告されています。そこで研究グループでは、さらにこうした透析治療を受ける2型糖尿病患者では、血清アルブミン補正GA値やGA値などが、血糖コントロールの指標としてどの程度有用なのか、より正しく使えるものはどれか調べる研究を行いました。
導入6カ月以内の患者では補正値がより優れた指標に
研究グループは、透析治療を受けている2型糖尿病患者31人を対象とし、この患者らを、透析治療を開始してまだ6カ月以内の群16人と、6カ月を超えている群15人とに分け、それぞれ持続的なグルコースモニタリングによって得られる平均血糖値パラメータを測定して、GA値や血清アルブミン補正GA値との相関関係を調べました。
その結果、GA値も血清アルブミン補正GA値も、全患者で平均血糖値水準を示す値と有意に関連していることが確認されました。6カ月を超える期間、透析治療を受けている患者では、同様にGA値も、血清アルブミン補正GA値も、同程度に平均血糖値と正の相関関係をもっていましたが、一方で透析開始から6カ月以内の患者群に絞り込むと、GA値の関連性は落ち、血清アルブミン補正GA値でこそ、平均血糖値水準と有意に関連、正しく反映するものとなっていることが明らかとなっています。
これらの結果から研究グループでは、血清アルブミン補正GA値がより有用とし、とくに透析治療を導入してまだ早期の段階にある2型糖尿病患者では、GA値ではなく、血清アルブミン補正GA値を用いるべきとまとめました。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes Research and Clinical Practice : Serum albumin-adjusted glycated albumin as a better indicator of glycemic control in Type 2 diabetes mellitus patients with short duration of hemodialysis
http://www.diabetesresearchclinicalpractice.com/