糖尿病を発症すると、さまざまな合併症や疾患の発現リスク上昇が導かれることが知られており、糖尿病そのものに対する治療とともに、これらをうまく管理していくことが重要です。そうしたなか、糖尿病患者における血圧の変動リズムに注目した最新の研究報告がなされ、関心を集めるところとなっています。
起立性低血圧の2型糖尿病患者では夜間血圧上昇の傾向
研究を実施したのは、Jing Chang氏、Qian-Mei Sun氏らのグループで、その成果をまとめた論文は「Journal of Diabetes Investigation」オンライン版に5月11日付で掲載されました。
研究グループでは、糖尿病患者がしばしば進行した起立性低血圧を有していることに着目し、血圧の変動リズムや起立性低血圧と糖尿病に起因する合併症などの発現リスクについて検証を行いました。
まず、2型糖尿病患者173人を対象に血圧の日内変動パターンを調べ、あおむけになった状態から立ち姿勢に移行した際の血圧変化から起立性低血圧がみられる群の61人と、起立性低血圧のない群112人とにグループ分けをしています。そしてそれぞれ、24時間自由行動下の血圧測定を実施し、モニタリングを実行しました。追跡調査はその後中央値で45カ月実施しています。
死亡率や主要脳心血管系疾患の発現リスクが上昇
分析の結果、起立性低血圧のみられる群では、そうでない群に比べ、夜間収縮期血圧と夜間拡張期血圧がともに高く、1日を通しての血圧変動パターンが、夜間にかけて上昇するriser型が67.21%を占めていました。
結果に影響を与えうる関連因子のデータ補正を行った状態で、起立性低血圧がriser型の日内血圧変動リズムとなる独立マーカーであることも確認されています。
そして起立性低血圧のみられる群は、そうでない群に比較して、死亡率が有意に高く、また有害な心臓や脳血管系疾患の発現率も有意に高くなっていることが明らかになったと報告されました。
研究グループではこれらの結果から、2型糖尿病患者で起立性低血圧がみられる場合、血圧の日内変動リズムは一般的にriser型のパターンを示すものとなっており、死亡率や主要な脳心血管系疾患の発現率が高い、高リスクな状態にあることが判明したとしています。
(画像は写真素材 足成より)

Journal of Diabetes Investigation : Blood pressure circadian rhythms and adverse outcomes in type 2 diabetics diagnosed with orthostatic hypotension
http://onlinelibrary.wiley.com/