生活習慣病として、ライフスタイル全般の見直しと改善が必要とされる糖尿病の治療や予防には、薬剤を用いた治療などだけでなく、多様な角度からのアプローチが重要です。
「Diabetes Innovation Challenge」プログラムの開始を発表
MSD株式会社は5月30日、こうした多角的アプローチが重要であることを踏まえ、製薬企業としても、医薬品提供にとどまらないサービスやソリューションを提供し、さらなる価値の創造、社会への貢献を実現していくべく、糖尿病領域の医療課題を解決するビジネスプランを広く募集するコンテスト「Diabetes Innovation Challenge」を開始すると発表しました。
MSDのスタートアップ企業向けビジネス開発支援プログラムであるヘルステックプログラムにおける取り組みの一環として展開されるもので、糖尿病領域に特化した企画となります。
MSDによると、生活習慣と社会環境の変化に伴い、日本の糖尿病患者やその予備群となっている人は、実に日本人全体の5人に1人のレベルにまで増加してきているそうです。ご存じのように、糖尿病は一度発症すると完治が難しく、初期にはほとんど自覚症状がないため、放置して進行してしまうことも少なくありません。
また日本国内の健康診断や人間ドックも、未受診率が男性で約27.8%、女性で約37.1%と依然高く、早期発見が十分に行える状況とはなっていません。加えて健診などで糖尿病やその予備群と診断されても、約4割の人は医療機関を再受診せず、治療開始といったステップへ進めていないといいます。また、治療を開始しても、経口血糖降下薬の服薬継続率は、半年後で53%程度になってしまうという報告も紹介されました。
「Diabetes Innovation Challenge」では、こうした現況にある医療課題の解決に寄与するビジネスプランを募集、日本の糖尿病治療への貢献と患者のQOL向上、誰もが健康で豊かに暮らせる社会の実現を目指していくとしています。
応募は8月31日まで、アイデアで糖尿病をめぐる問題を解決しよう!
コンテストの課題テーマは、「健康診断等の健診受診率の向上」、「糖尿病が疑われている人の医療機関受診率の向上」、「糖尿病薬の服薬アドヒアランス(服薬遵守)不良の改善」の3つのうち、いずれか1つを解決するビジネスプランの提案で、応募は2017年8月31日まで受け付けます。
学生、会社員、事業者、起業家など、授賞式でのプレゼンテーションが可能な人であれば、誰でも応募可能ですが、医療従事者は参加できません。MSDでは、2017年6月24日に任意参加のワークショップ型参加者向け説明会を開催する予定としており、こちらに参加すると、よりコンテストの詳細を知ることができるようになっています。ワークショップの時間や場所など、詳細は後日特設ページからアナウンスされるそうです。
審査は、糖尿病専門医、Venture Capital代表、MSDの執行役員などが担当し、医療課題解決への貢献度や原因・要因分析能力、実現可能性、費用対効果、熱意・情熱、独創性・斬新性などを評価するとしています。
応募期間終了後、2017年9月~10月で書類審査を実施、書類審査を通過すると、11月の最終審査会に参加可能となり、審査員の前でビジネスプランのプレゼンテーションを行います。こちらは11月11日または11月18日に開催する予定で、発表を受けて最優秀賞、優秀賞を決定、表彰を行うこととなっています。
最優秀賞・優秀賞を獲得したプランの提案者には、実際に今後のビジネス化へ向けたMSDによるメンタリング提供やその他支援が行われます。
具体的には、ヘルスケア業界での豊富な経験を有するMSD社員によるメンタリングの実施、医師や医療機関へのコンタクトチャネル提供、ヘルスケア業界の専門的知識の提供や規制に関する正しい理解を助ける知識提供といったサポートが2~3カ月間で与えられ、さらにニーズに合ったアイデアに対しては、ベンチャー・キャピタルが保有する経営ノウハウ、人的ネットワークを活かした経営支援もなされる可能性があるそうです。
さまざまなバックグラウンドを有する人々から生まれてくるアイデアが、糖尿病領域における医療課題の解決につながり、よりよい治療環境や早期発見体制の充実化へと発展していくことを期待したいものです。
(画像は「Diabetes Innovation Challenge」特設ページより)

MSD株式会社 ニュースリリース
http://www.msd.co.jp/「Diabetes Innovation Challenge」 特設ページ
http://www.msdhealthtech.com/dic.html