糖尿病を患っている人は、少し意識して十分な眠りを確保するようにした方がよいのかもしれません。糖尿病は発症すると、心血管系疾患の発現リスクが高まることが知られていますが、こうした心血管系疾患の高リスク状態にある人では、睡眠不足によって死亡リスクが有意に上昇することが明らかとなりました。
米国心臓協会が1日6時間以上の睡眠を推奨と発表
米国心臓協会(AHA)は現地時間の24日、速報レポートとして、心血管系疾患や糖尿病のリスク要因をもつ患者群の場合、そうしたリスクを有しない人々に比べ、6時間より少ない睡眠しか確保できないと、心臓病や脳卒中などによる死亡リスクが約2倍になるという研究結果が報告されたことを発表しました。
この研究は、同協会の資金提供で行われたもので、患者からの自己申告ではなく、研究室において睡眠時間を測定、より正確にリスク調査分析を行った初めての研究だとされています。
対象となったのは、平均年齢49歳、男性が42%を占める1,344人の成人で、このうち39.2%は少なくとも3つのリスク因子を有していました。ここでリスク因子とされているのは、メタボリックシンドローム症候群とつながる、BMI値が30超、総コレステロール値の高値、高血圧、空腹時血糖値の高値、トリグリセリド(中性脂肪)の高水準値といったものです。
良質な睡眠をしっかりとって生活習慣全体の改善を!
追跡調査は平均16.6年間にわたって行われ、このフォローアップ期間中に被験者の22%が死亡しました。分析の結果、研究室内で測定した睡眠時間が6時間を超えていた人の群では、リスク因子をもたない人の群に比べ、脳卒中による死亡リスクが約1.49倍となっていました。
一方、睡眠時間が6時間未満であった、やや睡眠不足とみられる人の群では、心臓病や脳卒中で死亡するリスクが約2.1倍となり、メタボリックシンドロームであり、かつ睡眠不足であった人の群は、メタボリックシンドロームでない人の群に比べ、全死因での死亡リスクが1.99倍高くなったそうです。
昨今は、睡眠障害に悩まされる人や、仕事・娯楽などの理由により睡眠時間を削っている人も多くなっていますが、米国心臓協会では、これまでにも心血管系リスクの観点から、睡眠持続時間と質の改善を図るよう訴えてきました。
今回の研究では、人種差などは考慮されておらず、限界が指摘される点もありますが、協会では、糖尿病やメタボリックシンドロームの傾向がある人など、心血管系疾患の発現リスクがそもそも高くなっている人の場合、血糖値や血圧を低下させるとともに、6時間以上といった十分な睡眠時間を確保することが死亡リスクを低減させるために重要だとしています。
“生活習慣病”といわれるところからも分かるように、食事や運動とともに睡眠までを含めた生活パターン全体を見直し、健康的なスタイルへと改善していくことが大切といえるでしょう。
(画像は写真素材 足成より)

American Heart Association(米国心臓協会) ニュース
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