糖尿病には、主に日頃の食生活や運動週間が深く関与して発症する、罹患者数の多い2型糖尿病と、罹患者数は少ないものの、自己免疫性疾患として発現し、インスリンの自己分泌が行えなくなる1型糖尿病があります。この1型糖尿病について、新たな知見をもたらす研究報告がなされました。
糖尿病と関係性の深い高尿酸血症、治療でSBP値が低下
糖尿病と関係性の深い疾患は数多くありますが、その中のひとつに、血液中の尿酸濃度である尿酸値が高い状態が続く高尿酸血症があります。この高尿酸血症と糖尿病を併発するケースは少なくなく、併発する場合、それぞれが影響しあって、より動脈硬化の発現リスクを高めるなど注意が必要になることが知られています。
今回、報告された研究結果によると、この高尿酸血症をフェブキソスタットによって治療し、尿酸値を下げると、1型糖尿病患者の場合、収縮期血圧の値も低下することが判明したそうです。研究を実施したのは、Yuliya Lytvyn氏らのグループで、その成果をまとめた論文が「Diabetes」オンライン版に4月13日付で掲載されました。
フェブキソスタットは、非プリン型の選択的キサンチンオキシダーゼ阻害剤と呼ばれるタイプの高尿酸血症治療剤で、痛風や高尿酸血症、がん化学療法に伴う高尿酸血症の治療薬として広く用いられています。
研究グループは、49人の1型糖尿病患者を対象に、ベースライン時とフェブキソスタットの投与治療によって尿酸値を下げた後の状態を、正常血糖状態、および高血糖状態で8週間にわたり調査しました。また比較対照群として健常な24人の調査も行っています。
測定項目は、フェブキソスタットの投与前後における尿酸値、GFR(イヌリン)、有効腎血漿流量、血圧、アンジオテンシンII輸液に対する血行応答のほか、動脈スティフネス、ニトログリセリン媒介性の血流および拡張性、尿中のNO、炎症マーカーといったものです。
血圧低下で心血管系イベントの発現リスクも低下か
分析の結果、フェブキソスタットによる治療は、動脈スティフネスやニトログリセリン媒介性の血流・拡張性、尿中NOなどには影響を与えませんでしたが、収縮期血圧における中程度の低下効果を発揮することが確認されました。対象となった1型糖尿病患者で、中央値112mmHgから中央値109mmHgに低下しています。
また、Gomez方程式で推計された求心性および遠心性の細動脈抵抗、糸球体静水圧をみると、求心性細動脈抵抗や腎臓内のアンジオテンシンII輸液に対する血行応答などに影響を与えることなく、遠心性細動脈抵抗と糸球体静水圧、インターロイキン-18を増大させて、高血糖に対する濾過画分応答を亢進させることも分かりました。
これらの結果から研究グループでは、1型糖尿病患者に対するフェブキソスタットによる治療は、収縮期血圧を低下させ、高血糖に対する腎臓の反応を調節することが判明したとし、現在進行中の予後試験結果を待つことになるものの、高尿酸血症を併発する患者で、心筋梗塞など心血管系イベントの発現リスクを低下させる効果が確認されるだろうとまとめています。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes : Renal and Vascular Effects of Uric Acid Lowering in Normouricemic Patients with Uncomplicated Type 1 Diabetes
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