かつては、1型糖尿病を除き、糖尿病といえばある程度年を重ねた人がなるもの、それから注意すればよい病気と思われていましたが、近年では食事内容の偏りや運動不足など、子どもたちを取り巻く環境や生活習慣に変化が生じていることもあり、ごく若い世代での糖尿病発症も目立つようになりました。米国における状況も深刻なようで、そのことを裏付ける報告が公表されています。
12~19歳の糖尿病・糖尿病前症患者が予想を上回る数に
この報告は、「The Journal of the American Medical Association(JAMA)」において7月19日に掲載されたもので、2005~2014年の米国国民健康栄養調査(NHANES)をもとに、空腹時血糖値を測定した12~19歳の若者2,606人のデータをランダムに抽出して解析した研究結果としてなされたものです。
調査の結果、対象となった2,606人中、62人が糖尿病を発症しており、このうち29人は自分が糖尿病であることに気づいていなかったとされています。また、糖尿病前症の状態にあるのは、512人に上りました。率にすると、糖尿病前症の有病率は18%となり、女子よりも男子で高い傾向にあることが判明しています。
1型、2型ともに増加か
糖尿病を発症しているものの、未診断で気づいていなかった人の人種別割合は、白人4.6%、黒人49.9%、ヒスパニック系39.5%でした。各種因子を調整したのちの糖尿病有病率は全体で0.8%となっています。HbA1c、FPG、2HPGの3つのバイオマーカーデータを用いたこれまでの研究では、10代の若者における糖尿病有病率は0.34%と推計されていたため、今回の研究結果はそのおよそ2倍もの発症が確認されたことになります。
若者における糖尿病の増加に対する懸念は高まっていたものの、有病率がこれほどに高くなっていることは驚きをもってとらえられており、非常に憂慮すべき事態であるとされています。
今回の研究では1型か2型かの区別がなされていませんが、一般的に未診断の患者は2型であることが多く、これまでの研究報告と合わせて考えたとき、若年層での糖尿病は1型、2型ともに増加しているとみられるそうです。
また今回、糖尿病であることに気づいているかどうかという点では、人種間での差が顕著に表れ、黒人やヒスパニック系では白人よりも糖尿病前症になりやすく、そのことに多くの人が気づいていないという実態も判明しました。
糖尿病においては、早期発見・早期診断が重要であり、2型糖尿病の場合、できるだけ早く生活習慣の改善を行ってリスクの低減を図ることが必要です。そのため研究チームでは、若者への疾患教育推進と早期診断を広く実現するスクリーニングの向上が求められると指摘しています。
(画像はイメージです)

The Journal of the American Medical Association : Prevalence of Diabetes in Adolescents Aged 12 to 19 Years in the United States, 2005-2014
http://jama.jamanetwork.com/articleid=2533492