今日の糖尿病治療には、さまざまな治療薬を用いた薬物療法が導入されるようになり、アプローチも多様となりました。そのため、治療におけるガイドラインの見直しも各所で進められています。
相次ぐ新薬承認を受けガイドラインを改訂
American College of Physicians(ACP・米国内科学会)も今年1月、2型糖尿病患者に対する経口血糖降下薬を用いた治療に関するガイドラインを2012年のものから改訂し、3日より新たに公開を開始しました。昨今、治療薬について報告された研究による新たな知見や、米国食品医薬品局(FDA)によってなされた相次ぐ新薬承認を踏まえたもので、比較有効性と安全性などから薬剤を評価、内容に反映させています。
それによると、まず高血糖改善のため投薬が必要と判断された2型糖尿病患者への第1選択薬には、メトホルミンを引き続き指定、推奨するとしています。
メトホルミンは、禁忌でない限り、2型糖尿病患者にとって幅広く高い有効性が認められるものであり、有害事象も少なく、ほとんどの他の経口薬と比べ、薬価も低く抑えられていることから、治療戦略として効果的といえるとされています。
また、とくに米国においては、肥満の急速な増加が糖尿病の発生率・罹患率を大幅に上昇させることにつながっていることを指摘、メトホルミンには体重減少と関連するベネフィットも認められるため、このガイドラインではメトホルミンを第1選択薬とすることを決めたとも説明されています。
追加薬としてSU薬やSGLT-2阻害薬などを検討
そして、依然十分な血糖管理効果が得られず、血糖コントロールを良好にするため、さらに追加薬を必要とする患者の場合などでは、スルホニル尿素(SU)薬や、チアゾリジン系薬、SGLT-2阻害薬、DPP-4阻害薬のいずれかをメトホルミンに加え、追加投与による併用療法を検討することを勧めるとしました。第2選択薬として、近年の新薬を含めた複数の薬剤の併用を記したかたちとなっています。
ACPでは、こうした薬剤を追加投与することによって、良好な血糖コントロールをはじめ、より病態に対してメリットとなる効果が得られる可能性があるとしましたが、とくに最新の新薬では高価なものも少なくないことから、増加する費用コストに必ずしも見合うメリットがあるとは限らないともし、かかりつけの臨床医と患者が、追加する薬剤のもたらすメリット、副作用、費用負担について、十分話し合いをもつようにとも訴えています。
なお、American Academy of Family Physicians(AAFP・米国家庭医学会)も、この新ガイドラインで示された内容を支持するとしています。
(画像はACPホームページより)

American College of Physicians プレスリリース
https://www.acponline.org/