夜21時以降といった夜遅い時間帯に夕食を食べるような生活習慣は、食後高血糖をもたらしやすく、エネルギーもうまく消費されにくくなるため、肥満や糖尿病の発現や病態悪化を招くリスク要因であるとされています。しかしこうした事態が避けられない場合でも、ある方法をとれば、リスクを低減できる可能性が示唆されました。
日本の2型糖尿病患者を対象とする小規模研究
Saeko Imai氏、Shizuo Kajiyama氏らの研究グループは、2型糖尿病患者における、夜遅い時間帯の食事摂取による食後高血糖への影響について、ランダム化クロスオーバー試験によって検討、評価・考察を行いました。その成果をまとめた論文が、「Diabetes Research and Clinical Practice」オンライン版に5月16日付で掲載されています。
研究グループは、日本の2型糖尿病患者16人を対象に、持続型の血糖測定モニタリングシステムを5日間装着してもらい、それぞれ決められた試験食を指定の時間に摂取してもらいました。被験者の平均年齢は70.3歳、平均HbA1c値は7.2%と報告されています。患者のうち6人は食事療法のみの治療が行われており、あとの10人には経口血糖降下薬を用いた薬物治療がなされていました。なお、用いられた試験食はカロリーや栄養バランスが調整されたものです。
朝食は8時、昼食は13時として、1日目は21時に夕食をとってもらい、2日目と4日目で21時に夕食をまとめて摂取する群と、18時に炭水化物と野菜、21時に主菜と野菜という2回に分けて摂取する群とを作り、5日目の朝食後に測定を終了、システムを外してもらう設計としました。なお3日目は全被験者が18時に夕食をとるものとしています。
2回に分けて摂取すると食後血糖値の上昇・IAUC・ピーク値などが改善
被験者の16人は、先のような設計で、2日目と4日目の夕食を21時にまとめて摂取する群と、2回に分けて摂取する群にランダムで割り付けられました。
5日間の調査の結果、まず18時に夕食を摂取したときよりも21時に摂取した場合、23時~翌日の朝8時における血糖上昇曲線下面積が悪化し、数値にして147mmol/L×分、644mmol/L×分となっていることが分かりました。血糖上昇ピークも、18時摂取では中央値3.09であったのに対し、21時では6.78となっています。
さらに1日24時間の血糖変動幅平均も、18時に摂取すると5.35mmol/Lであるのに対し、21時摂取では6.99mmol/Lと、有意に高くなる傾向も確認されました。
そして、夕食を21時にまとめて摂取した群と、18時と21時に分けて摂取した群の比較では、2回に分けて摂取した群の方が、血糖上昇曲線下面積を142mmol/L×分に抑えられ、夕食後の血糖上昇ピークも3.75mmol/Lへ低下、1日の血糖変動幅平均についても5.33mmol/Lに低減させることができたとされています。
これらの結果から研究グループでは、やはり夕食を遅い時間にとることは食後高血糖や血糖変動幅平均に悪影響を与えやすくなっており、これを避けるには、少し前の時間に炭水化物と野菜を摂取しておくなど、食事を軽く2回に分けるようにすると効果的であることが分かったとまとめました。
仕事の都合など、ライフスタイル上、どうしても夕食が遅くなってしまうという人は、少しこうした工夫をしてみるとよいかもしれません。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes Research and Clinical Practice : Divided consumption of late-night-dinner improves glycemic excursions in patients with type 2 diabetes: A randomized cross-over clinical trial
http://www.sciencedirect.com/