糖尿病患者の世界的な増加に伴い、関連市場におけるプレイヤーの変化、活動も活発化してきています。11月18日には三井物産株式会社が、パナソニックヘルスケアホールディングス株式会社への出資を発表し、同社事業への参画を決めたことを明らかにしました。
KKR社・パナソニックとの協働で糖尿病患者への革新的技術提供へ
三井物産は今回約541億円を出資し、筆頭株主であるKohlberg Kravis Roberts & Co. L.P. (以下、KKR社)の運用するファンドから、パナソニックヘルスケアホールディングスの株式22%を取得します。今後はKKR社、パナソニック株式会社らパートナーと協働し、世界中の糖尿病患者へと革新的な技術を提供していきたいとしています。
パナソニックヘルスケアホールディングスは、主要子会社であるパナソニックヘルスケア株式会社を通じ、糖尿病患者向けの血糖値測定器など、さまざまな医療機器の開発・製造・販売を進めてきました。
近年では糖尿病領域に力を入れており、今年1月には糖尿病ケア・ソリューションを提供する大手企業のBayer Aktiengesellschaftグループの糖尿病ケア事業を買収、新会社「Ascensia Diabetes Care」を立て、世界125カ国にわたる販売網を確保するにいたっています。
利便性の高い糖尿病ケアエコシステム確立に期待
三井物産によると、新興国における経済発展とともに生じている生活習慣病患者の急増のなかでも、糖尿病患者の増加は著しく深刻で、2015年の4億2,000万人から2040年には6億4,000万人にまで増加すると予測されているそうです。またアジア新興国での増加も目立ち、同地域の糖尿病患者数が全世界における役60%を占めるまでになるとみられているといいます。
糖尿病は、この疾患そのものによる初期の自覚症状はほとんどありませんが、網膜症や腎症、神経障害といった3大合併症に代表されるさまざまな合併症を併発する危険性が高く、生活に密着した継続的症状モニタリングと治療を行っていくことが欠かせません。
三井物産ではこれまでにも、メディカル・ヘルスケア部門に注目し、アジア病院事業やその周辺領域へ積極的な投資を行ってきましたが、今回のパナソニックヘルスケアホールディングスへの出資・事業参画を通じ、既存の投資先医療機関や海外顧客基盤に対する販売促進を支援することで、同社の企業価値向上を目指すとともに、投資先医療機関の集患機能強化を図っていくとしています。
そしてアジア新興国などをはじめとして、糖尿病患者の疾患段階に応じた適切な治療サービス体制を広く構築し、利便性の高いヘルスケアエコシステムを確立していきたいとしました。
糖尿病と向き合いやすい環境が広く創出され、高いQOLを維持した治療・進行抑制が、無理なく行えるようになることを期待したいですね。

三井物産株式会社 プレスリリース
https://www.mitsui.com/jp/ja/release/2016/1221844_8913.html