世界中に多くの患者が存在し、現在もなおその数が増え続けている糖尿病に関しては、さまざまな角度から新規治療法や治療薬の開発が進められています。日本からも新たな動きがあり、新規糖尿病治療薬の創出につながるのではと注目を集めるものとなっています。
プロトセラが新規受容体探索でサノフィと提携
ウシオ電機株式会社の連結子会社で、兵庫県尼崎市に拠点を置く関西のバイオベンチャー、株式会社プロトセラが6日、仏・医薬品大手サノフィの日本法人、サノフィ株式会社と技術提携を締結したと発表しました。
この提携は、新薬の創出を推進することを目的とする新規受容体探索分野の技術提携で、糖尿病をはじめ、がんや免疫性炎症疾患の治療薬に関する開発研究を進めるとされています。サノフィは糖尿病治療に力点を置く主要製薬企業のひとつでもあり、今後の動向が注目されるでしょう。
独自のリガンド・受容体探索技術を提供し貢献
プロトセラは、体外診断技術と受容体関連医薬品開発技術の革新を目指し、細胞膜にあるタンパク質で、医薬品などと結合し反応を起こす“受容体”に着目、その解析と探索に関する研究を進めてきました。
細胞膜に存在する受容体は水に溶けないことから、これまでの精製、同定、性状分析といった一般的解析フローや技術をうまく用いることができません。プロトセラは、受容体をその構造特性にかかわらず、人工リポソームの脂質二重層に再構成させ、リガンド結合能を保持したまま膜タンパク質ライブラリ(MPL)という受容体が人工リポソーム上に分散したエマルジョン溶液へ転換できることを発見しました。
この知見と技術で、培養細胞に限らず、さまざまな臓器・組織にある受容体を大量かつ安定的に受容体関連医薬品開発へと供給できるようになったのです。
さらに、電気泳動から質量分析までの工程を簡略化し、受容体に結合したペプチリガンドの定量解析に用いるBLOTCHIP-MS法も開発。この方法では、ペプチドの質量分析を妨害するタンパク質や、抽出時に混入する高濃度の塩類などが電気泳動工程で完全に除去され、ゲル中のペプチドが電気転写によりBLOTCHIPへ1ステップで写し取られるものとなります。そのため従来よりも高速なペプチドーム解析が可能となりました。
プロトセラでは、先のMPL法とこのBLOTCHIP-MS法を組み合わせ、独自のリガンド・受容体相互作用解析技術を確立、包括的な未知のリガンドと受容体の探索や同定、さらにそれらの間の相互作用解析を可能としました。
サノフィとの提携では、この技術をもとに、糖尿病などの新規有用分子とその受容体を同定、創薬を推進させていくこととしています。糖尿病以外にも、がんや免疫性炎症疾患の領域が視野に入れられており、広く世界の患者を救う、医療貢献になることでしょう。
安全性と効果の高さで、より優れた新薬が登場すれば、これまでの治療で効果が不十分だった患者さんに光がもたらされることはもちろん、QOLの向上も期待されます。今後の研究・開発に期待したいですね。

株式会社プロトセラ プレスリリース
http://www.protosera.co.jp/