近年では医療技術の発達に伴い、さまざまな移植手術が行われるようになりましたが、臓器を提供するドナーの肝臓における健康状態は、移植を受ける患者の糖尿病発生リスクに影響を与えるとの研究結果が報告され、関心を集めています。
脂肪肝の場合、糖尿病発症のリスク因子に
この研究は、中国・復旦大学のMengjuan Xue氏らによって行われたもので、その成果は「Journal of Diabetes Investigation」のオンライン版に8月10日付で掲載されました。
Xue氏らの研究チームは、2001年4月から2014年12月までの患者データを用い、肝移植患者763人を対象とした後ろ向き解析を実施、ドナーの脂肪肝と移植患者における糖尿病の新規発症とのあいだに関連性があるかどうかを検討しています。移植患者における糖尿病の発症は、肝移植後1年、3年、5年、10年のタイミングで調べ、累積発生率として算出したそうです。
いずれの時点でも有意に高い結果、独立したリスク因子と確認
対象とした763例のうち、40.5%にあたる309人のドナーが脂肪肝でした。フォローアップ終了時点で、ドナーが脂肪肝だった移植患者の130人が新規に糖尿病を発症、移植患者における新規糖尿病発症率は、ドナーが脂肪肝であったグループが、非脂肪肝のグループに比べて有意に高いことが判明しました。
移植後1年、3年、5年、10年の新規糖尿病累積発症率は、それぞれ33%、43%、50%、56%となり、いずれの時点でみても、やはりドナーが脂肪肝だったグループで、脂肪変性のみられないドナーのグループに比べ、有意に高い結果となりました。
複数のリスク因子を考慮に入れた補正後の解析で、ドナーが脂肪肝であることは、移植患者が新たに糖尿病を発症する独立したリスク因子であることも確認され、そのハザード率は1.774と報告されています。
(画像はイメージです)

Journal of Diabetes Investigation : Donor liver steatosis : A risk factor for early new-onset diabetes after liver transplantation
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jdi.12560