糖尿病やその合併症に悩む患者が増加する一方で、そうした患者らを救うための医療も日々進化しています。糖尿病の3大合併症とされるものの1つで、深刻なQOLの低下をもたらすものに、眼の障害、糖尿病性網膜症がありますが、これらの眼疾患を対象とした臨床開発段階の眼科医療ソリューション・カンパニーとして先端を行く、米国のAcucela Inc.(アキュセラ・インク)が10日、日本に本社機能を移転させるための三角合併を実施することを発表しました。
日本子会社を持株会社化、商号も変更
発表によると、米国時間の今年3月28日に開いた取締役会で、三角合併を実施し、アキュセラ・インク普通株式1株に対し、昨年12月に日本子会社として設立した「(仮称)アキュセラ・ジャパン株式会社」(以下、日本持株会社)の普通株式1株を交付して持株会社化、日本持株会社をアキュセラ・インクの事業を承継する「(仮称)アキュセラ・ノースアメリカ・インク」(以下、米国子会社)の持株会社にすることを決めたとされています。
また、日本持株会社の普通株式について、株式会社東京証券取引所に上場申請することも全会一致で決議、米国時間今年8月9日の取締役会で、三角合併を行う合併契約を締結することを決め、同日付で決議したとされています。
この三角合併は、米国時間10月18日に開催予定のアキュセラ・インク定時株主総会において、行使可能な議決権総数の過半数の賛成が得られることや、日本持株会社の東証上場が承認されることなどをもって成立、効力発生となるため、現段階では条件付きですが、これによってさらなる事業発展の機会を追求していく方針を示しています。
「エミクススタト塩酸塩」などの開発動向も注目の的に
条件が整った場合、三角合併は2016年12月1日をもって効力発生となり、日本持株会社の商号は「窪田製薬ホールディングス株式会社」、米国子会社は新「アキュセラ・インク」に変更、確定することも決まっています。
アキュセラ・インクは、2002年の創業以来、眼疾患撲滅を目指し、より侵襲性の低い治療法の研究開発を進めています。主要パイプラインとして「エミクススタト塩酸塩」について、地図上萎縮を伴うドライ型加齢黄斑変性治療薬で臨床試験を進めてきていましたが、こちらでは症状の進行抑制に統計学的有意差が認められず有効性が確認できなかったとされています。
しかし、このアキュセラ・インク独自の視覚サイクルモジュレーション技術を活かした「エミクススタト塩酸塩」については、糖尿病性網膜症などの適応で、引き続き検討・開発を進めるとされており、今後の動向が注目されるでしょう。
そのほかにも「ラノステロール」の研究開発や、遺伝子療法「オプトジェネティクス」の研究も進めており、不可逆的で効果的な治療法のないものが多い眼疾患に医療革新をもたらしていきたいとしています。
今回の事業体制変更、上場方針も、こうした研究開発の強化につながる新技術の導入、パイプライン拡充に向けた取り組みのさらなる推進につなげていく予定で、同社からは、1日も早く患者に治療薬を届けたいとのコメントが寄せられています。

アキュセラ・インク プレスリリース
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